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MLBに40代選手の“生き残り”は7人。
イチロー、上原に見る平均年齢事情。
posted2016/04/15 10:30
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
メジャーリーグの現場取材に必要なアイテムの一つに、試合前に各球団から配布されるGame Information=ゲーム情報というものがある。
通称“ゲームノート”。各球団ごとに近況や各選手の成績、達成されそうな通算記録やその日の先発投手の履歴などを記載した数ページの資料である。「地球に優しく」が米社会全体の流れとなっている昨今、紙に印刷せずにウェブサイトで閲覧するシステムを用いている球団も増えている。マリナーズやアスレチックスは、今でも丁寧に印刷してくれる守旧派球団で、いちいちネットを覗くのが億劫な我々メディアにとっては有難い存在だ。
4月9日、シアトルでのマリナーズのホーム開幕戦の試合前、予め用意されたアスレチックスのゲームノートに何気なく目を通していると、“THE YOUNG AND THE OLD”という欄が気になった。「若手とベテラン」という訳になるだろうか。内容を抜粋して訳すと、こうなる。
「今季のアスレチックスの開幕メンバーは平均29.28歳で、2004年の平均30.16歳以来の高い平均年齢。(中略)開幕時に25歳未満の選手がいないのは、オークランドでは初。(中略)アスレチックスの歴史としてはおそらく1902年以来2度目だが、公式記録はない」
MLBの平均年齢事情。
アスレチックスは元々、フィラデルフィアに本拠地を置いており、カンザスシティーを経てオークランドに移転してきたことから、こういう書き方になったのは仕方ないが、「おそらく」とか「公式記録はない」という不確かな情報の注意書きは、日本のプロ野球でなら考えられないことではないかと思う。
新旧の世代交代が進むメジャーリーグだ。ESPN(電子版)の記録欄によると、アスレチックスの開幕時の平均29.3歳は今季のメジャーリーグ全30球団中7番目に高い。平均年齢がもっとも高いのはマリナーズで30.2歳。最も低いのはダイヤモンドバックスの平均27.2歳だという。
マリナーズの開幕ロースターには22歳のケテル・マーテイ遊撃手や23歳のタイワン・ウォーカー投手がいる反面、40歳のジョエル・ペラルタと38歳のヨアキン・ベノワ両ベテラン投手がおり、平均年齢をぐんと上げている。一方のダイヤモンドバックスは23歳のソクラテス・ブリトー外野手が最年少で、36歳のブラッド・ジーグラー投手が最年長。40代の選手はいない。
40代の選手がいるのは、前出のマリナーズを含む6球団だ。