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米マイナーに、7億円の黒字球団!?
日本の二軍と全く違う経営方法とは。
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph byAFLO
posted2014/10/06 10:30
中島裕之もサクラメント・リバーキャッツに所属していた。マイナーリーグは、日本の二軍とは全く違う組織体系になっている。
日本の「プロ野球の二軍」とは全く違う!
しばしば「プロ野球の二軍」と同じようなものとして考えられがちなマイナーの世界ですが、その経営努力には日本のプロスポーツ界が学ぶべき要素が満ちています。
プロ野球であれJリーグであれ、選手の育成はともすれば「投資」あるいは「コストセンター」として見られがちです。一般企業で言うところの開発部門のようなイメージでしょうか。
しかしMLBは、その開発活動自体に娯楽性を見出し、エンターテインメントとして商品化することを着想しました。「コストセンター」を「プロフィットセンター」に変える大胆なイノベーションを断行したのです。
これまで日本のプロ野球界が「二軍のチームを単体で黒字化させよう」、あるいは「各球団の二軍の権利を集約してリーグビジネスを展開しよう」などと検討したことはなかったはず。普段は日の当たらないマイナーリーグですが、その巧みな経営手法を知ることは、日本のプロスポーツ界における育成のあり方を考える良い機会になると思います。
(構成:日比野恭三)