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<証言構成> 香川真司 「知られざる代表“初キャップ”物語」 ~岡田武史、大久保嘉人、小野剛が振り返る~
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byMasashi Hara
posted2012/12/28 06:00
今から4年前。ひとりのティーンエイジャーが代表デビューを飾った。
後半途中からの出場でプレー時間はわずか15分。将来を嘱望された
選手ではあったが、さしたるインパクトを残せぬままピッチを後にした。
しかしこの青年は、後にザックジャパンのエースナンバー、
10番を背負うことになる――。当時の指揮官やチームメイトなど
関係者の証言を元に、初キャップ獲得の舞台裏に迫る。
後半途中からの出場でプレー時間はわずか15分。将来を嘱望された
選手ではあったが、さしたるインパクトを残せぬままピッチを後にした。
しかしこの青年は、後にザックジャパンのエースナンバー、
10番を背負うことになる――。当時の指揮官やチームメイトなど
関係者の証言を元に、初キャップ獲得の舞台裏に迫る。
あのとき、どれほどの人が香川真司の存在を知っていただろうか。
セレッソ大阪で活躍する19歳、飛び級で北京五輪代表に呼ばれ始めた新星……。前年にはU-20W杯カナダ大会にも出場している。類稀な才能の持ち主であることは分かっていても、受け止められ方は「将来のエース」くらいのレベルだった。
2008年5月24日、豊田スタジアム。
キリンカップのコートジボワール戦で香川は、後半30分にA代表デビューを果たしている。終盤、大久保嘉人にクロスを送ったぐらいしか見せ場はなく、強烈なインパクトを残したわけでもない。この日同じくデビューして、アーセナルで活躍するエブエを抑え込んだ長友佑都と比べてしまうと、どうしても地味な印象に映った。
実際、試合後の記者会見でも岡田武史に飛んだ質問のなかに、香川に関するものはなかった。歴代5位となる若さで出場したことにメディアが多少騒いだ程度。今の香川の騒がれようを見れば、まして今の日本代表の「10番」であることを考えれば、信じられないほどにひっそりとしたデビュー戦であった。