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<関塚ジャパン、躍進の原動力> 永井謙佑&清武弘嗣 「世界を震撼させたカウンター」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/08/23 06:01
周囲から絶対の信頼を寄せられる2人の選手がいる。
清武が前を向くことでチームに攻撃のスイッチが入り、
永井は相手DFに影さえも踏ませることはなかった。
世界が震えた高速カウンターは、いかにして生まれたのか。
清武が前を向くことでチームに攻撃のスイッチが入り、
永井は相手DFに影さえも踏ませることはなかった。
世界が震えた高速カウンターは、いかにして生まれたのか。
最初に度胆を抜いたのはモロッコ戦だった。
後半39分、清武弘嗣の浮いたパスを永井謙佑が猛烈なスピードで追う。そのままDFに競り勝ち、前に出てきたGKの鼻先で蹴り上げた。ニューカッスルの観客は、永井のきれいな弧を描いたループシュートとともに、その圧倒的なスピードに驚き、スタジアムは大きく響動(どよ)めいた。
これが日本最強の武器となった「ナガイ・アタック」である。そのホットラインとなったのが、清武と永井のふたりだ。グループリーグはもちろん、決勝トーナメントに入ってからも相手の脅威となり続けたこの連携は、実はロンドン五輪本大会になってから生まれたものだった。
アジア最終予選では、大迫勇也や大津祐樹が1トップに入り、ポストプレーを活かしてサイドに展開するという戦術が主だった。だが、大会直前のメキシコとの親善試合で永井が1トップに入ることで、ホットラインの素地が出来た。
清武は、言う。
「あの試合、自分が前で奪ってサイドの謙ちゃん(永井)に展開し、最後は慶悟(東)が決めたんですけど、まさに狙い通り。スペイン戦でも前からプレスを掛けて、チャンスを作ってくれた。相手は、謙ちゃんのスピードに完全にビビってた。このスピードは使えるし、使わないと損する。それから『持ったらまず謙ちゃん』という感じになったんです」