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1番・ショートは渡さない。
荻野貴司の揺るがぬ決意。
~復帰した西村ロッテの申し子~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/02/14 06:00

1番・ショートは渡さない。荻野貴司の揺るがぬ決意。~復帰した西村ロッテの申し子~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 連続日本一を目指すロッテのスローガンは2年続けて「和」に決まった。チーム一丸となって戦う、というものだ。しかし昨年とは大きく異なる事情がある。長年チームの「顔」として活躍し続けた西岡剛のメジャー移籍だ。

 ポスティングシステムを使い、西岡のツインズ移籍が決まったのは昨年の11月。他の球団では選手の移籍を見越して育成に励むのが常なのに、ロッテの場合は全くせずに放出してしまった。この辺りに何とも言えないガードの甘さを感じる。補強と言えば守備には定評がある高口隆行を日本ハムから獲得したくらいで、年が明けるまで特別な動きを見せなかった。

 ところがキャンプイン直前の1月、西村徳文監督は荻野貴司をショートにコンバートしたのである。西村は言う。

「もともと内野手だったし、野球のセンスは群を抜いている。1番打者として必要な資質も全て持っているからね」

守備の負担が与えるバッティングへの影響を心配する声も。

 昨年5月に右ひざ半月板を損傷し出場試合数はわずか46にとどまったものの、3割2分6厘、25盗塁を記録。4月の快進撃を荻野が支えたことは間違いない。

 関西学院大時代には内野手として5度のベストナインを獲得。トヨタ自動車に入社後はイップスになり外野手に転向するが、その素質は折り紙つきだ。

 ロッテは大松尚逸、日本シリーズで活躍した岡田幸文、売り出し中の清田育宏、さらにはドラフト1位で獲得した伊志嶺翔大など他球団が羨むほどの外野手が揃っている。それだけに荻野をショートにコンバートし内野手として一本立ちして欲しい、と考える西村監督の気持ちもよく分かる。だが内野の守備の負担は並大抵ではない。

「守備の負担からシュアなバッティングにまで影響が出ないか心配。あいつは気持ちが優しい奴だからどこまで頑張れるか」という荻野のことを心配するトヨタ時代の同僚の声も聞こえてくる。不安材料を抱える中でスタートするプロ入り2年目のキャンプだが、本人は内野手転向を前向きに捉えている。

「やれ、と言われているということはチャンスを与えられているようなもの。これを逃したくない」とキッパリと言う。

 清田、岡田に加えて復帰した荻野の足を使った機動力野球が奏功すれば、ロッテの魅力がまたひとつ増えそうだ。

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