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大谷翔平に殺到する日本メディア、米国でどう見られてる? 過去には “出入り禁止”も...記者が見た「伊良部フィーバー」「イチローの登場」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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photograph byJoe Camporeale-USA TODAY Sports/JIJI PRESS

posted2024/03/02 11:00

大谷翔平に殺到する日本メディア、米国でどう見られてる? 過去には “出入り禁止”も...記者が見た「伊良部フィーバー」「イチローの登場」<Number Web> photograph by Joe Camporeale-USA TODAY Sports/JIJI PRESS

結婚を報告した大谷翔平

 7月10日のヤンキースタジアムでのデビュー戦に集まった報道陣は、日米合わせ300人ともいわれた。ニューヨークでも「和製ノーラン・ライアンがやって来た」と伊良部に大変な注目と期待が集まっており、大都市でもあるだけに、そのメディアの数は尋常ではなかった。試合前の会見には日本のテレビカメラだけで5台、日米合わせると14台が所狭しと会見場に並んでいた。

 前代未聞の“事件”が起きたのは、その試合前だった。

 当時のメジャーは、試合前のチーム練習前後に選手のクラブハウスが報道陣に開放されるルールになっていた。ところがワンマンで知られた当時のヤンキースの名物オーナー、ジョージ・スタインブレナー氏が、すべての報道陣をクラブハウスから締め出し、こう言ったのだ。

「たぶん私は、リーグから処分を受けるかもしれない。私が規則を破ったというのなら、謝罪する。しかし、それでもやらなければならないことが人生にはある。選手たちの部屋に多くの人が押し寄せるのを防ぎ、保護したい。この若者(伊良部)への注目度は信じられないほどだ。ワールドシリーズのときだって、テレビ局のトラックがこんなにたくさん来たことはない」

騒動はほかにも…

 地元有力紙の1つだったニューヨーク・デイリーニューズは、この日の記事で「何十年さかのぼっても、レギュラーシーズンの試合でこれほど大規模なメディアサーカスは見たことがない」とつづっていた。

 伊良部と日本メディアの険悪な関係も、よく地元ニューヨークの記者たちのネタになった。伊良部の2年目のキャンプ中、オフレコで話しているときに1人のテレビカメラマンが撮影を止めなかったため、伊良部が怒ってそのカメラマンの足を踏みつけ、フィルムを奪い取るという騒動が起きたことがあり、ニューヨークの新聞に大きく書き立てられた。そんな出来事は今なら問題になっていたかもしれないが、スタインブレナー・オーナーは騒動についてコメントを求められ「私は何も聞きたくない」と言うのみで、ジョー・トーリ監督も「そのことに関して、私は興味がない。ゴシップ記者にでも教えたらどうか」とはぐらかした。あまりに多い日本メディアに、球団も最初は持て余し気味だったのかもしれない。

【次ページ】 NYメディアも来た…イチローの入団

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