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史上最高の175億円超! 潤沢な米女子ゴルフ、来季は“9名の日本人”が席巻!? あと一歩の畑岡奈紗、渋野日向子の再出発、サバイバル突破の新顔 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2023/12/26 06:04

史上最高の175億円超! 潤沢な米女子ゴルフ、来季は“9名の日本人”が席巻!? あと一歩の畑岡奈紗、渋野日向子の再出発、サバイバル突破の新顔<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

熾烈な予選会を突破し、2024年米女子ツアーの出場権を獲得した吉田優利(左)と西郷真央。賞金総額は過去最高175億円超、戦いは1月から始まる

 2023年は米本土での日本人選手の優勝が3年ぶりに見られなかった年でもあった。

 古江彩佳は年間ポイントレースで日本勢トップの10位で終えたが、前半戦の好調ぶりをタイトルに繋げられず通算2勝目はお預けに。畑岡奈紗も全米女子オープン(4位)、エビアン選手権(3位)、最終戦のCMEグループツアー選手権(2位)など惜敗が目立った。笹生優花もKPMG全米女子プロの2位をはじめ、“あと一歩”の試合が複数あった。それぞれ、次の勝利がいつ訪れても、それがどれほど大きな大会であっても、まったく不思議はない。

 トップグループの一員と言える3人を追うように懸命にプレーしたのが1年目だった西村優菜と勝みなみ。それぞれ昨年の最終予選会からツアー入りし、限定的な出場機会を生かして2年目のシードを確保した。

不振に苦しんだ渋野の復活は?

 そして春先に左手に痛みを発症し、不振を極めた渋野日向子も限定的ではあるが、出場資格は手放さなかった。年間ポイントレースで83位。80位までに付与されるフルシードを喪失。それでも、100位までの“準シード”のカテゴリーは開幕時点で西郷、吉田よりも上にあり、2019年の全英女子オープン制覇によるメジャー5大会の出場資格も有している。

 再出発、再挑戦の条件は必ずしも悪くない。その環境は疑いなく、自らの力で勝ち取ってきたもの。悪循環の中では失ったものばかりに目が行きがち。しかし、他の誰のものでもない経験や自信まで投げ捨てる必要はないはずだ。

 33試合で開催される来季LPGAツアーの賞金総額は史上最高の1億1655万ドル(約175億6400万円)、44億円(37歳/TOTOジャパンクラシックの賞金額は重複)の日本女子ツアーの4倍近い額となった。その最高峰のツアーで、日本人選手層はすっかり一大勢力に。流れは再来年以降も加速しかねない。男子では昨年8月の制度変更により世界ランキングポイント配分の米国への一極集中化が進んでおり、いずれ女子でも同様のことが起こる可能性がある。日本の女子プロが束になって、世界のゴルフシーンを席巻する日も夢物語ではない。

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