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大谷翔平“ブルージェイズ急浮上”の報道はウソだった? 「“幻の記事”は怒りが冷めたら…」カナダ人記者の運命を変えた“オオタニ争奪戦”その後

posted2023/12/15 06:00

 
大谷翔平“ブルージェイズ急浮上”の報道はウソだった? 「“幻の記事”は怒りが冷めたら…」カナダ人記者の運命を変えた“オオタニ争奪戦”その後<Number Web> photograph by Getty Images

ブルージェイズの主砲ゲレーロ・ジュニア(左)と塁上で言葉をかわす大谷翔平。2024年4月下旬、ドジャースの一員としてトロントの地を訪れる予定だ

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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 ロサンゼルス・エンゼルスからFAになった大谷翔平が現地12月9日、ロサンゼルス・ドジャースとの契約を発表した。新契約はなんと10年7億ドルという壮大なもの。その巨額の大半が2043年までの後払いという斬新さもあり、米スポーツ界の話題は大谷の新たな門出に集中している感がある。

 一方、大谷が自らのInstagramでドジャース入りを発表する前日の8日、「トロント・ブルージェイズ入りするのではないか」という話題が沸騰したのもまだ記憶に新しい。アナハイムからトロントに飛んだプライベートジェットに大谷が乗っているのではないかという憶測から、数千人がこの飛行機を追跡。ブルージェイズに所属する菊池雄星投手が「(ブルージェイズ本拠地の)ロジャースセンター近くの高級寿司レストランを丸々予約した。その人数は50人以上。大谷歓迎会ではないか」という謎の情報までが飛び交うなど、その日のSNSは大荒れだった。

 永く語り継がれそうな今回の大谷争奪戦。すべてを終えた今、2017年からMLB.comでブルージェイズ番記者を務めるキーガン・マシソン氏にその“狂騒曲”を振り返ってもらった。カナダのノバスコシア州出身で、トロントに7〜8年住む記者にとっても、今回の一件は貴重な経験になったようだ。

「こんな“秘密行動”はオオタニが初めて」

 以下、キーガン・マシソン記者の1人語り。

◇ ◇ ◇

 大谷の争奪戦は本当にすごい大騒ぎになりました。今回のFA戦線が球界全体を震撼させ、全米を魅了したことで、大谷は自身の価値を世に示したといえるのでしょう。

 特徴的だったのは、最後の最後まで大谷は一言も喋らず、ネズ・バレロ代理人も何も明かさず、メディア、ファンだけが大騒ぎしたこと。何の情報リークもなく、最終的にドジャースに行くという第一報は大谷自身のInstagramで発されました。

 契約年数を伝えたのも代理人の事務所。こんなことはこれまでに一度もなく、これほどの秘密行動をやり遂げられるのは大谷以外にいません。その過程で多くのドラマと興味を生みだした功績は誰も無視できないはずです。一人の選手が人々を興奮させ、注目度を高めたという意味で、一連の“Ohtani Sweepstakes(大谷争奪戦)”はメジャーリーグにとってポジティブだったと私は考えています。

【次ページ】 「私もラジオでブルージェイズ入りを明言した」

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