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「レースクイーンは必要か?」女王・藤井マリーにズバリ聞いた“不要論“「私の個人的な意見ですが…」「モータースポーツの存在すら忘れられてしまう」

posted2023/11/19 11:01

 
「レースクイーンは必要か?」女王・藤井マリーにズバリ聞いた“不要論“「私の個人的な意見ですが…」「モータースポーツの存在すら忘れられてしまう」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

F1の世界ではグリッドガールが廃止され、レースクイーン的存在は世界的に見れば稀だ。日本ではなぜ必要とされているのか、トップレースクイーンに聞いた

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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Shiro Miyake

 サーキットに詰めかけた多くのカメラマンを前に、さまざまなポーズで応じるレースクイーンの姿。世界に目を向けるとF1では「グリッドガール」が廃止されて5年以上が経ち、華やかな衣装でサーキットに立つ女性の存在は世界的に「絶滅危惧」の状態にある。ガラパゴス化された日本ならではの光景といえるが、彼女たちはどのような思いでサーキットに向かっているのか。

 2017年からレースクイーンの活動を開始し、「レースクイーン・オブ・ザ・イヤー22-23」を獲得した藤井マリーさんに「レースクイーンの仕事」と「世界的な“廃止”の流れをどう思うか」について話を聞いた。(全2回のうち第2回/前編は#1へ)

レースの日は、4時に起きてメイク

――レースクイーンの仕事内容について聞かせてください。どのようなスケジュールで仕事をするのですか。

藤井 土日のレースでは現在所属しているチーム(ARTA/raffinee lady)のサポート、平日はイベントに出演することもあります。たとえば今週末にスーパーGTがあるとすれば、4時には起きてメイクをして、始発で7時くらいにはサーキットに入ります。すぐに衣装に着替えて、8時くらいからスポンサーステージに出演。そこでメインスポンサーと所属チームのPRをするのですが、うちのチームはトップバッターなので特に早いんです。

 PRが終わって少し休憩したら、午前中のピットウォーク(ピットレーンでのファンサービス)があって、物販サイン会や写真対応をします。日曜日はそれに加えて、スタート前のグリッドウォークでのドライバーさんの紹介に伴うサポート。午後はレースを応援しながら、SNSで実況中継ツイート……と、すべて終わるのは17時くらいですね。ほかにスーパー耐久のレース日は、特別ステージを設けていただいてユニットで歌を披露することもあります。

――夏に長時間外に出ていて、それもハイヒールでとなると、体力的にキツそうです。

藤井 化粧品の販売員時代もヒールだったので、慣れてました。むしろそのときのほうが立っている時間が長かったくらい。暑さも父がパキスタン人だからか耐性があって、寒さのほうがキツいです。露出が多い衣装だから、カイロを貼れるスペースも限られているので(笑)。

アルバイトは壁紙屋

――化粧品の販売員時代は正社員だったんですよね。そこからレースクイーンに転身されて、収入のほうは……?

【次ページ】 父にはレースクイーンのことはほとんど話してません

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