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藤井聡太は八冠になるまで何を食べてきたのか タイトル戦全85局から見えた「コーヒーはアイスのみ」「うなぎを食べない」傾向 

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齋藤裕(NumberWeb編集部)

齋藤裕(NumberWeb編集部)Yu Saitou

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2023/11/11 06:00

藤井聡太は八冠になるまで何を食べてきたのか タイトル戦全85局から見えた「コーヒーはアイスのみ」「うなぎを食べない」傾向<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

10月に将棋のタイトル八冠を手に入れた藤井聡太。八冠となるまでタイトル戦で何を食べ、飲んできたのか

 コーヒー類(コーヒーベースのカフェオレ含む)を頼んだのは117回中98回。83.76%の確率でコーヒー類を午前に口にしている計算になる。

 藤井が初めておやつを選んだのは2020年7月1日。王位戦第1局1日目の午前に運ばれてきたのは、ブルーベリータルトとアイスコーヒー。翌年の2021年はコーヒー類オーダー率が100%。ちなみにコーヒー類は決まって「アイス」。「ホット」を頼んだことはこれまでのタイトル戦で一度もない。真冬であってもだ。一手目を指す前に口をつけるのが恒例となっている “初手お茶”と午前の冷たいコーヒーが八冠ロードの日常風景となった。

ぴよりんアイス、コロコロしばちゃん…

 二冠となり迎えた2021年は、特徴的なおやつの指し回しが大きな話題となった。

 6連敗を喫したこともある宿敵・豊島将之を相手に王位防衛を目指した6月29日の王位戦、第1局1日目。午後のおやつに注文したのはひよこ型スイーツ「ぴよりんアイス」。突如登場した、黄色い縦長の半球体に顔体のパーツが付いたプリン状のアイスにファンは騒然。販売店のぴよりんショップに問い合わせが殺到し、1日500個ほどだった売上が3000個近くに急増。今も名古屋駅構内のぴよりんショップは午前中に完売となってしまうことが多く、新名古屋名物と言える人気ぶりが続いている。

 9月13日、王位戦と同じく豊島将之叡王との対決で最終局までもつれこんだ叡王戦第5局(1日制)で、午前に頼んだのが「コロコロしばちゃん」。息を呑む熱戦に脈絡のない癒やしキャラによる突然のハーフタイムショー。全国の不二家からは犬の顔を模したカップケーキが忽然と姿を消した。

2日目の午後はお菓子なし、が定跡

 話題となったおやつの「午前」と「午後」で藤井のオーダーに何か変化はあるだろうか。比較してみると、飲み物以外の「お菓子」のオーダー率が午後で低いことに気づく(スムージーは飲み物に分類、ぜんざいやプリンはお菓子に分類)。

【次ページ】 藤井が唯一午後にコーヒーを頼んだ対局とは…?

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