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「着るだけで強くなれる気がする」上田桃子が立ち上げから携わった思い入れのあるゴルフウェアとは?<マスターバニーエディションPRESENTS Vol.6~勝って、魅せる~> 

text by

高村将司

高村将司Masashi Takamura

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photograph byYuji Kawata

posted2023/11/24 11:00

「着るだけで強くなれる気がする」上田桃子が立ち上げから携わった思い入れのあるゴルフウェアとは?<マスターバニーエディションPRESENTS Vol.6~勝って、魅せる~><Number Web> photograph by Yuji Kawata

Hair&Make Up by Ryuji Nakashima

1+1=2以上の実力が出せるのがウェアの強み

 上田プロをはじめとする契約プロからのリクエストと、それを反映させてスタイリッシュに落とし込んでいく現場の対応。これらが相乗効果を生んで、現在のブランドの地位を築いていったといえそうだ。

 実際、上田プロがウェアに求めているものはどのようなものだろうか。

上田「ファッションのトレンドと、アスリートとしての強さ。その両方を備えているものが理想です。ストイックなスタイルのほうが、アスリートとの相性はいいだろうなと考えています。私服でもそうですが、“似合う”というのは大事なこと。強さを表現しつつ、実際にパフォーマンスを高めてくれる機能を備えたウェアがプロゴルファーには相性がいいと思います」

仙座「こういうふうにきちんと考えを伝えてくれる点が、僕たちにとってもありがたいんです」

上田「アスリートというのは、服装だけがスタイリッシュでもダメで。格好いいウェアを着て、いいパフォーマンスを残す。1+1=2以上の実力が出せる。それができるのがマスターバニーエディションだと思います」

仙座「桃子プロがおっしゃるように、契約プロのみなさんが、それぞれ個性を出している。裏を返すと、僕らとしては、サポートするプロをきちんと選ばせていただいているということでもあるんです。僕らが服作りのプロとして妥協なくやっているなかで、それが似合うプロに着ていただきたいと思っています」

上田「実際、あのプロに着てもらったらいいのでは? というような具体的な提案もしているんですよ」

 TSIが手掛けるマスターバニーエディションやパーリーゲイツの契約プロたちの人脈もあるという。

上田「ゴルフって個人種目だから、あまりグループになりにくいんですが、素敵な契約プロの先輩方がいらしたのは大きくて、ひとつのファミリーのように感じています。その歴史や伝統のなかに自分がいられることはありがたいです」

仙座「しかも、今の若いプロたちは、桃子プロをお手本にして、“ああなりたい、パーリーやマスターを着たい”と言ってくれています。僕らとしては、桃子プロがいてくれることで、ブランドが掲げる理想のゴルファー像をいちいち説明しなくてもいいですし(笑)」

 プロからも憧れられる存在。確かにそれは、マスターバニーエディションが掲げる「勝って、魅せる。」選手という理想の姿を、上田プロが体現している証左というべきだろう。

 一方でスタイリッシュな着こなしが注目される上田プロ。勝負服、勝負カラーなど、当日の着こなしについて、流儀はあるのだろうか。

上田「ブランドが推しているシーズンカラーやデザインを最終日にもってくるということは、よくやります。ブランドの方が、旬だと思って取り入れているものは、やはり、選手たちに似合いますから」

仙座「着こなしも戦略的ですね(笑)」

上田「フィードバックが反映されていることが多いので、満足感は高いんです」

仙座「僕らは服作りのプロだから、いいウェアを作る。選手はいいプレーを魅せる。お互いプロ同士が、互いの本分をまっとうするとブランドはよくなっていく。これはコミュニケーションがよくとれている我々の強みです」

【次ページ】 単に「勝つ」だけでは満足できないから、背景も含めて「魅せていく」

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