筆者は以前、Number本誌で「来季に負傷から復帰する予定の冨安と共に三笘が（アーセナルの）赤いシャツを着て、プレミアリーグとチャンピオンズリーグで活躍する姿が見られるなら、これほど胸が高鳴ることもない」と書いたが、当時とは状況が変わっている。

　まずなにより、ブライトンは来季、クラブ史上初の欧州カップ戦に出場する。舞台はチャンピオンズリーグに準ずるヨーロッパリーグとなるが、欧州にデビューするチームや選手にとって、ハイレベルな大会に違いない。昨季、7度目の決勝で7度目の優勝を果たしたセビージャのように、ここを真の標的に定める強豪もいる。

　三笘は昨季、「チャンピオンズリーグに出たい」と何度も発言していたが、初の国内外の日程とシーズンに慣れ、2年目のプレミアリーグで引き続き活躍するためには、ヨーロッパリーグが最適な欧州初挑戦の場となるのではないか。そして多くの地元サポーターは、パスポートを準備して敵地に向かうことを心待ちにしている。マンチェスター・シティを筆頭にどんな相手にも互角の戦いを挑んだチームなら、国外の敵地でも楽しませてくれるに違いないと、彼らは信じているのだ。

シティのウォーカーとマッチアップする三笘　©Getty Images

理由2：ペップも絶賛、智将デゼルビ体制の継続

　結果はわからないにしても、スリリングな内容は約束されている。なぜなら、新シーズンも引き続きロベルト・デゼルビ監督がチームを統率するからだ。昨季プレミアリーグの最後の定例会見で、自身と三笘が「来季はここに残る」と明言した指揮官は、最新鋭の超攻撃的な手法でブライトン史上最高のシーズンを実現させた。彼が師と仰ぐペップ・グアルディオラ監督は、8歳年下の後進を次のように絶賛している。

三笘をハグするデゼルビ監督　©Getty Images

「今から私が言うことをよく聞いてほしい。ロベルトは過去20年で、もっとも影響力のある監督のひとりだ。私は自信を持って、この話をしている。（今のブライトンのように）プレーするチームはほかにない。実にユニークだ。彼がプレミアリーグに来たとき、そのインパクトは絶大なものになると感じていたが、これほどまで早く形になるとは予想していなかった。

　そのチームでは全員がプレーに関与し、GKがボランチの役割を担う。相手が必死に立ち向かわなければ、好き放題に攻撃されることになる。今のブライトンは、その成功と賞賛に、完全にふさわしいチームだ。私自身、彼らから学びを得ようとしている。

　本当にユニークだからね。カタルーニャには以前、エル・ブジというレストランがあり、（そこの）フェラン・アドリアは何年も世界最高のシェフと認められ、料理の世界を変えてきた。ブライトンはそれくらい特別だ」

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