中谷　ウォーミングアップからパンチが切れているなとは感じていたし、当たれば倒せるだろうな、と。だからこそ打ち気になりすぎてしまうと、逆に崩れかねない。それに1ラウンド、2ラウンドは多少なりとも硬くなってしまうところもあるので。

――だから余計に慎重に。

中谷　そうです。パンチをもらわないこと、距離をしっかり取ること、あとはトレーナーのルディ（・エルナンデス）から“タイミング”っていう声を掛けてもらっていたので、そこは試合全体を通して意識していました。

――2ラウンドにダウンを奪ったシーン。右ジャブをインサイドに入れて相手のガードを開けてアッパーを狙い、前に出てきたモロニーに対してそこから左アッパー2発、そして右アッパーをヒットさせました。

中谷　ガードが堅いように見えて、真ん中が空く。そこにパンチが当たるっていうのは、映像を見ていても分かっていたし、試合前からチームで話をしていました。それがタイミングよく、流れの中で入った感じでしたね。（下がりながらのアッパーは）結構練習でもスイッチしながら出していたので、（左アッパーからの右アッパーが）スムーズにはいきました。

――試合を通じてアッパーを効果的に使った印象を受けます。ただ顔面を空けてしまうリスクも当然あります。

中谷　違う相手だったらフックだったりを狙ってくるというのはあるでしょうね。今回モロニーの特徴を考えたらアッパーが活きたと言いますか、それは相手によってチェンジしていければいいかなと思っています。

――3ラウンド、偶然のバッティングによって眉間をカットします。映像ではちょっと笑ったようにも見えましたが。

3Rにバッティングで流血する中谷潤人　©︎JIJI PRESS

中谷　自分の血を見て興奮しちゃったんですかね（笑）。意識としては3ラウンドだったので、試合をストップされないようにしないとな、と。インターバルにルディがしっかりと止血してくれたので助かりました。（眉間なので）血が目に入ることはあったのですが、集中を切らすことなく戦えたのはルディのおかげです。

モロニーを沈めた一撃は想定通り？

――中盤は接近戦になっていきます。ネジを巻いてきたモロニーを受け止めるような形になったその意図というのは？

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