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「自分の管理不足」と反省する渋野日向子、今季初メジャーで収穫はあった? 米現地レポーターが褒める“全英女子を思い出す強気なパット” 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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photograph byShizuka Minami

posted2023/04/26 17:00

「自分の管理不足」と反省する渋野日向子、今季初メジャーで収穫はあった? 米現地レポーターが褒める“全英女子を思い出す強気なパット”<Number Web> photograph by Shizuka Minami

今季初メジャーを日本勢最高位の28位タイで終えた渋野日向子。万全の体調ではなかったが、試合前に練習場で笑顔を見せていた

 また、渋野の持ち味である“強気のパット”は、今大会でリーダーボードを駆け上がる大事なポイントだった。
 
「バミューダの芝がすごく目が強いので、それに負けない強気のパットを打てる方がいい。グリーンの傾斜を利用して、コロンとカップに落ちるというジャストタッチのパットだと、目に負けてボールが外れてしまうので。渋野選手と言えば、全英女子オープン(2019年)でねじ込んだウイニングパット。今大会でも強気でピンをオーバーすることを恐れないパットを打てたことはよかったと思います」

 試合後、渋野自身もショットが悪かったことを認めつつも「ほかのもの(アプローチやパター)で補えるというのがよくわかった」と収穫を口にした。「メジャーを良い状態で迎えることができなかったのは自分の管理不足」と反省も忘れなかったが、今後に期待をもてる内容となった。

片平が選ぶ今大会ベストショット

 大会はプレーオフまでもつれた。最後まで優勝争いを繰り広げたのは、強気なパットが冴えたリリア・ブ(米国・25歳)とエンジェル・イン(米国・24歳)。この激しい優勝争いを繰り広げた2人にメジャーを制するヒントがあったと片平は語る。

 特筆すべきは片平が今大会ベストショットに挙げた、最終日の15番、エンジェル・インの第2打だ。

「ティーショットを右に曲げたイン選手は、第2打を右のラフに落とし、左足下がりのライという打ちにくい場所に置いてしまいました。最終日のピンポジションは真ん中の手前だったので、高く上げると、木々に当たってしまうかもしれない。ピン方向に打てば池があるかなりリスキーな状況でした。

 イン選手が打つ前、米国のテレビ局で解説を務めた元全英覇者カレン・スタップルズに『もし自分だったら、どう打つ?』と問いかけました。すると、左の花道をフェードで思いっきり狙う、と私と意見が一致。たとえグリーンをオーバーしても、池の手前にレイアップするよりチャンスが広がるんじゃないかなと……。でも結局、イン選手は、私とカレンの予想を上回り、よりフェードをかけてしっかりと一発でグリーンオンさせてきた。『ワオ!』とカレンも思わず声が出るぐらい、渾身の一打。その後、パーパットで切り抜けました。

 もちろん、試合じゃなければ、他の選手たちも打てる一打だとは思います。でも、イン選手は優勝争いがかかっている緊張感のなかで、針の穴を通すような正確なショットを放った。アグレッシブに攻める姿勢が素晴らしかったと思います」

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