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周東佑京「鬼ごっこで捕まった記憶ない」WBC“あの爆速スピード”はなぜ? 親族にオリンピック選手、3年前に“世界新”の盗塁記録…米国人記者も衝撃 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2023/04/04 11:00

周東佑京「鬼ごっこで捕まった記憶ない」WBC“あの爆速スピード”はなぜ? 親族にオリンピック選手、3年前に“世界新”の盗塁記録…米国人記者も衝撃<Number Web> photograph by KYODO

ソフトバンクに所属する周東佑京、27歳。WBC準決勝でSNSのトレンドにも入った「周東の足」の原点とは?

 米アナリストのジェレミー・マシーノ氏は自身のTwitterで「このサヨナラゲームで最も注目すべきは、ウキョウ・シュウトウが速度30.4フィート/秒(約9.27メートル)のスプリントスピードに達し、一塁からホームベースまでわずか10.3秒(三塁からホームまでは3.08秒)で到達したことだ。ほとんどの選手はこのプレーで得点できない」と綴った。さらにMLB公式サイトのサラ・ラングス記者は「2023年WBCのMLB球場で行われた試合のなかでは、一塁からホームに到達した10.28秒は2番目に速い。この最大速度はエリート」と驚きを隠せない様子だった。

大谷はパワー、周東はスピードを世界に見せた

 今回のWBCでの世界一で、日本野球のこれまでの常識が覆ったのではないか。

 少し前の時代まで、侍ジャパンが世界を相手に戦うには日本野球らしい「スモールベースボール」こそ、大きな武器とされていた。つまり選手個人のポテンシャルでは海外のプレーヤーにとても歯が立たない、と。

 だが、大谷翔平という存在のおかげで日本人でもパワーや体格でメジャーの超一線級に劣らないケースがあることが分かった。

 そして、パワー同様に勝てないと思われていたスピードでも、周東がメジャーの超一流レベルと肩を並べるスプリント力を証明したのだ。

鬼ごっこで捕まった記憶がない

 周東にかつて自身の俊足について訊ねたことがある。その時は笑いながら「遺伝だと思います」と語っていた。

 本人よれば父親が俊足だったという。ちなみに、父のいとこには陸上110メートルハードル元日本記録保持者で、1992年バルセロナ五輪に日本代表として出場した岩崎利彦氏がいる。遺伝という言葉も納得だ。

 周東自身も生まれつき足は速かったようで、幼少期から鬼ごっこで捕まった記憶はないと言っていた。また、スポーツ紙で「近所の山で野ウサギを追いかけて捕まえていた」との逸話も紹介されたことがある。あまりに面白いエピソードなので本人に振ってみると「いや、それはない(笑)。たしかにめちゃくちゃ田舎で野ウサギがいるような場所だったけど」と笑い飛ばされた。

【次ページ】 “プロ初試合”を記者は見ていた

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周東佑京
福岡ソフトバンクホークス
東農大北海道オホーツク

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