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村上宗隆サヨナラ打→メキシコ人「おめでとう」にお互い涙腺崩壊、“泥だらけのストッパー大谷翔平”に感動…WBC観戦は唯一無二だった 

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posted2023/04/02 11:03

村上宗隆サヨナラ打→メキシコ人「おめでとう」にお互い涙腺崩壊、“泥だらけのストッパー大谷翔平”に感動…WBC観戦は唯一無二だった<Number Web> photograph by UPI/AFLO

アメリカ戦前、日の丸の旗手も務めた大谷翔平。星条旗を持ったトラウトとともに、映画ばりの構図だった

 2009年決勝を現地で見ることができなかった心残りから14年後、そして今日勝たないと悔しさしか残らない、そんな思いだった。この日も試合開始4時間前の15時に球場入り。並んでいるファンの数はアメリカ9:日本1かそれ以下ぐらいで、完全アウェイな状況と言ってよかった。ただしメキシコ、キューバのファンもいて〈日本頑張れよ〉と声を掛けてくれた。

 試合前から通路は大混雑。TVでよく拝見する方々とも普通にすれ違い、会話できるこの感覚はやはり国際大会だからだな……と感じながら過ごしていた。さらに、今大会大活躍したヌートバーのご両親ともお会いすることができた。日本代表として加わってくれたことの感謝と〈次回もよろしくお願いします〉とお伝えしたところ、〈こちらこそです〉と本当に明るい笑顔で答えてくださった。もちろんご両親とも“侍ジャパンを全力応援、アメリカに勝つ!”との意気込みだった。

ブルペンを行き来するたびに大谷が泥だらけに

 試合前のセレモニーでは、日本の大谷翔平と米国のマイク・トラウトがそれぞれの国の先頭を国旗を持って入場してきた。そんな演出があると思っていなかったのでビックリ。その思いはスタジアム全体も同じだったのか、大歓声だった。

 決勝戦は三塁側のグラウンドレベル最前列で観戦した。このポジションで本当に良かったと感じたのは、ベンチとブルペンを何度も往復する大谷翔平を至近距離で見られたこと。泥だらけになりながらも投打に奮闘しようと、肩で息をしながら準備を進める大谷の姿から、この試合に懸ける覚悟を強く感じた。最後にブルペンからゆっくりとマウンドに向かう姿は――漫画というよりはむしろ――中居正広キャスターが語った「泥だらけのストッパー」というタイトルの映画なのでは? と思うほどだった。

 試合は既知の通り。先発の今永昇太が二回に先制ソロ本塁打を打たれものの、その裏に村上宗隆の本塁打な度で勝ち越すと、4回には岡本和真のソロ本塁打で加点。投げては7投手の小刻みな継投でアメリカ打線を抑え、8回にダルビッシュが1点差を死守して、クローザー大谷翔平につなぐ夢のリレーとなった。

【次ページ】 WBC最大のメモラビリアは「現地の空気」だった

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