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パリ五輪で注目の“高校生スイマー”って? 成田実生が挑む、大橋悠依らとの熾烈な争い「代表に入るんだという強い気持ちで」

posted2023/03/24 06:00

 
パリ五輪で注目の“高校生スイマー”って? 成田実生が挑む、大橋悠依らとの熾烈な争い「代表に入るんだという強い気持ちで」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

400m個人メドレーで優勝した成田(中央)。左が2位の谷川亜華葉、右が3位の野井珠稀

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 '24年パリ五輪、'28年ロサンゼルス五輪に向けて楽しみな逸材が順調に育っている。競泳のコナミオープンが2月18、19日に東京辰巳国際水泳場で行なわれ、初日の女子400m個人メドレーで淑徳巣鴨高1年の成田実生(金町SC)が4分37秒59で優勝した。自己ベストに届かず悔しさものぞかせたが、'21年東京五輪代表の谷川亜華葉(イトマン近大)を最後の自由形で抜き去っての勝利。2日目には女子200m個人メドレーを2分11秒10の大会新記録で制した。

「両方とも最後まで粘れたので良かったと思います」。はにかむような笑顔に初々しさがある。

 昨年3月の国際大会日本代表選手選考会。女子400m個人メドレーで自己ベストを約4秒縮める4分36秒71の世界ジュニア記録(当時)を樹立し、東京五輪女子個人メドレー2冠の大橋悠依をかわして2位になり、注目を浴びた。

 背泳ぎを得意としつつ、平泳ぎも苦にしないなど4泳法とも無駄のないフォームが特徴。特に背泳ぎで力を使わず楽にスピードを出せる分、後半にスタミナが残っているのが強みだ。昨年は代表入りしたアジア大会が延期になったが、8月から9月にかけてペルーで行なわれた世界ジュニア選手権で3冠に輝き、世界にも名を売ってきた。

「代表に入るんだという強い気持ちで」

 レースでは早めに招集所に行き、チューブトレーニングをする。「筋肉が引き締まるとコーチから聞いて、ずっとやっています」と語るように、既にルーティンを確立していることも本番の強さに役立っているのだろう。

 今年は1月にオーストラリア遠征をし、2月には長野県東御市の標高約1750mの施設で合宿。そのためコナミオープンでは疲労が抜けきっていなかったが、「400mも200mも最後のフリーでキックを強く打てた感触があった」と成長の手応えを感じている。

 今年7月には福岡で世界選手権が開催される。出場切符の懸かる4月の日本選手権では400m個人メドレーで自己ベストを大幅に更新する4分34秒台をターゲットとすると語っている成田。大橋や谷川との熾烈な争いが待ち受ける中、「中途半端な気持ちではなく、代表に入るんだという強い気持ちで練習して、自己ベストを出せるように頑張りたい」と覚悟をにじませた。

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