ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER

松山英樹が2連覇した人気コースはなぜ「65万人」も動員できる? “当たり外れ”が多いゴルフ観戦でも“老若男女”が集まる理由

posted2023/02/19 11:44

 
松山英樹が2連覇した人気コースはなぜ「65万人」も動員できる? “当たり外れ”が多いゴルフ観戦でも“老若男女”が集まる理由<Number Web> photograph by Getty Images

松山英樹が2016、17年に連覇を達成したフェニックスオープン。練習日を合わせて述べ65万人以上が来場する人気トーナメントだ

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

PROFILE

photograph by

Getty Images

 はるばるアメリカまで足を延ばして、例えばPGAツアーを観に行くならばどのトーナメントがいいだろう?

 ゴルファーの憧れ、オーガスタナショナルGCでのマスターズと、毎年会場が変わる他のメジャーも除いて考える。

 とりわけ春先は選手も気合十分、どれも好ゲームが期待できるから粒ぞろい。年明けの2連戦(トーナメント・オブ・チャンピオンズ、ソニーオープン)はいずれも常夏のハワイで行われる。

 カリフォルニアに移ってファーマーズインシュランスが行われるトーレパインズGC、伝統のプロアマ戦が行われるペブルビーチGLは風光明媚で多くのゴルファーが「一度はプレーしてみたい」と願うコースとして名高い。タイガー・ウッズが7カ月ぶりに出場したジェネシスインビテーショナルの開催地リビエラCCはロサンゼルスエリアのセレブリティコースにして、2028年五輪をホストすることになった。アーノルド・パーマーインビテーショナル、“第5のメジャー”プレーヤーズ選手権といったフロリダ連戦、松山英樹が初優勝したオハイオ州でのメモリアルトーナメント(6月)はまさに「世界最高峰」の看板をまざまざと見せつけられるようなビッグスケール。

 一方で2018年に小平智が勝った4月のRBCヘリテージのハーバータウンGLや、5月のチャールズ・シュワブチャレンジのコロニアルCCなどは、コンパクトにして戦略性の高さに納得。8月のシーズン最終戦ツアー選手権の会場イーストレイクGCには、マスターズの創始者でもある球聖ボビー・ジョーンズの息吹が残る。

 まあ、どこに行ったって、きっと思い出にはなるはず。

 それでも今回、勝手に“推したい”のは2月、アリゾナ州で行われるフェニックスオープンである。

松山が連覇したお馴染みコース

 ちょうど先週、スコッティ・シェフラーが前年に続いて2連勝したばかり。なにも前回、連覇に成功したのが松山(2016&17)だからという理由で贔屓目なわけではない。あくまで自分がギャラリーだったら……と想像を巡らせて出した答え。それってあなたの感想ですよね? はい、そうですのであしからず。

 古くは1932年にアリゾナオープンとしてスタートした大会は、87年に会場を現在のTPCスコッツデールに移した。山脈を望む、砂漠につくられたフラットな18ホールは、トーナメント期間中に様変わりする。まさにパーティ会場に変貌すると言っていい。

 なにせ、人の数がすさまじい。

【次ページ】 6日間で65万人…国内は年間で32万人

1 2 3 4 NEXT
TPCスコッツデール
松山英樹
スコッティ・シェフラー

男子ゴルフの前後の記事

ページトップ