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「思いっ切り投げたらどうなってしまうんだろう」DeNA平良拳太郎がトミー・ジョン手術から460日ぶりのマウンドにたどり着くまで「一番怖かったのは…」

posted2022/09/12 11:00

 
「思いっ切り投げたらどうなってしまうんだろう」DeNA平良拳太郎がトミー・ジョン手術から460日ぶりのマウンドにたどり着くまで「一番怖かったのは…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

トミー・ジョン手術のリハビリ期間を経て、8月26日に実戦復帰を果たした平良。本人に復帰までの道のりを聞くと…

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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JIJI PRESS

 あの男が“新しい肘”を携えマウンドに帰ってきた。

「投げられる喜びですか? そりゃ、めちゃくちゃありますね。本当、トレーナーさんをはじめ多くの方々にお世話になって今があるのは間違いないので、まずは感謝を伝えたいし、そのためにはやっぱり結果を出すのが一番なのかなって。そこへ向かって投げられているという意味で、喜びがあることは間違いないですね」

 特徴ある沖縄方言のイントネーション。久しぶりに会った横浜DeNAベイスターズの平良拳太郎は、まぶしいぐらいの笑顔を見せ、そう語った。

「まあ順調に投げられてはいるんですけど、ただそのぶん投げた後の反応というのか、先に同じ手術を受けていた(田中)健二朗さんや東(克樹)からも聞いていたように、結構張りが強く出るんですよ。今はそれを取り除く作業に難しさを感じていますね」

TJ手術から1年3カ月で実戦復帰へ

 昨年6月7日に平良は右肘内側側副靱帯再建術、いわゆるトミー・ジョン(TJ)手術を受けた。それから約1年3カ月、育成契約だった平良は7月30日に支配下選手として登録されると、8月26日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦(戸田)で実戦復帰を果たしている。

 思えば、平良の復帰は早いように感じられた。先ほど平良の口から名前が出た田中は2019年8月に同手術を受け、ファームで実戦復帰したのは2021年3月、東は2020年2月に手術し、2021年7月にマウンドに立っている。両者にくらべれば平良の復帰は明らかに早い。

「ええ、いろんな人から結構(復帰が)早かったね、と言われるのですが、僕としては最初から1年で戻ることが目標でした。行けるのだったら行きたいという僕の願いを叶えてくれたトレーナーさんのおかげでもありますし、また健二朗さんや東が経験したことを伝えてくれたから、ここまで早く戻れたんだと思いますね」

【次ページ】 体全体の感覚を取り戻す作業に取り組んだ

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