——今、思い浮かぶボクサーとしての最終目標は？

井上　引退時にどうありたいか、どういう存在になっていきたいか、というところだけです。小学校1年生から始めたボクシングを、やってきてよかったっていうゴールがあればいいなと思っています。何階級制覇とかそういうものではないですよね。ボクシングを引退して、今流行りのエキジビションとかそういうのに出るのではなく、本当にやりきって終わりたいし、燃え尽きたい。そのための目標は具体的にパッと思い浮かばないし、そこを模索し、探していく段階だと思います。

　現在、キャリア中盤、後半に入ってきていて、引退する年齢とかも探しながら、ボクシングから離れてもいいでしょと思えるくらいのものを作り上げたいです。その終わり方を見つけるのが目標。今までは35歳で引退すると言っていましたが、まだやれるのであれば長くやってもいいと思っています。

——以前から人生設計として35歳で引退と述べていたと思いますが、少し考えが変わったのでしょうか？

井上　35歳というのは断言できないです。パフォーマンスが上がっていくのなら、まだ挑戦したいなと思うでしょう。今は35歳の現役ボクサーってざらにいるじゃないですか。そこは自分の身体とパフォーマンスを見ながらやっていきたいなと思っています。

©Naoki Fukuda

——まだ少し先になりますが、引退後に何をやるか考えたことはありますか？

井上　ボクシング界に残りたいと思うか、さっきも言ったようにやり切って、もうボクシングから離れたいと思うのかはわかりません。この世界に残るのであれば、プロモーター業にも興味を持つのかもしれませんね。海外とは言わないですけど、日本にも「ひかりTV」とか「dTV」といった会社が参入していますし、そういうところで試合をプロモートし、日本国内のボクシング人気を上げていくような仕事は面白いなと思います。

　ただ、それはあくまでボクシングに残りたいと思った場合。引退した途端、ボクシングはもういいやと思うかもしれません。もう関わりたくないと思うくらい、やりきってしまうかもしれないので（笑）。

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