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羽生結弦が公開練習3回目の『SEIMEI』で示した“これからも挑戦していく姿勢”「平昌五輪のときから成長しているってところを見せたかった」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/08/13 11:03

羽生結弦が公開練習3回目の『SEIMEI』で示した“これからも挑戦していく姿勢”「平昌五輪のときから成長しているってところを見せたかった」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

公開練習中、笑顔を見せながらもリンクは緊張感に満ちていた。羽生自身にとって今回の公開練習はどのような意味を持つものだったのか

 練習中に流す音楽は羽生が自らスマートフォンを操作して選択していたが、例えば、2016-2017シーズンのフリー『ホープ&レガシー』の中で決めたのは、4回転ループ-トリプルトウループのコンビネーションジャンプ。少なくとも国際大会では、誰も成功させたことがない高難度の組み合わせだ。

 4回転アクセルにも何度もチャレンジした羽生は、練習の後半、『SEIMEI』に挑む。

 スタートのポーズから演技を開始。1回目と2回目は、中途のジャンプでミスが出る。

計8本、平昌五輪の構成の通りに演じる

 3回目に挑む。冒頭の4回転サルコウを決めると、4回転トウループ、トリプルフリップ、4回転サルコウ-トリプルトウループ……と成功させていく。

 さらに4回転トウループ-オイラー-トリプルサルコウ、トリプルアクセル-ダブルトウループ、トリプルループ、最後のジャンプのトリプルルッツも決めた。現在のルールに定められたジャンプの本数計7本ではなく計8本、平昌五輪の構成の通りに演じてみせた。

「平昌オリンピックのときと、同じ構成の『SEIMEI』をノーミスするってことが今回の目標で。あのときよりもうまいんだっていうことを証明したいみたいな、自分の中でそういう強い意志があって、最後まで、滑りきらせていただきました」

「あのとき(平昌五輪のとき)、ノーミスにしきれたわけではなかったですし、もちろんリカバリーとかうまくいったなと思う点はありましたけれども、でも、あのときに本来したかった演技っていうのは、やっぱり足首の状態を含めてなかなかできなかったですし、今回自分としては、あれから成長しているってところを見せたかったっていうのがいちばん強かったなと思います」

やる必要ないかもしれないんですけど…

『SEIMEI』を3回続ける練習は初めてではないと言う。

【次ページ】 会見で発した言葉を体現していた

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