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「次の選手に何を望む?」記者の質問に、武尊が返した“意外な答え”…「武尊のいないK-1」はどうなるか? タイの大学生女子王者も誕生

posted2022/08/11 11:03

 
「次の選手に何を望む?」記者の質問に、武尊が返した“意外な答え”…「武尊のいないK-1」はどうなるか? タイの大学生女子王者も誕生<Number Web> photograph by Takao Masaki

K-1女子に新設されたアトム級の王座決定トーナメントを制したパヤーフォン・アユタヤファイトジム

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Takao Masaki

 6月19日を境に、K-1には明確な歴史の区分がなされた。今のK-1は『THE MATCH』以後の時代にある。言い換えるなら“武尊のいないK-1”が始まったのだ。

 蛇足ながら説明すると、6月19日の『THE MATCH 2022』東京ドーム大会のメインでK-1の武尊はRISEの那須川天心にダウンを奪われ判定負けを喫した。試合の8日後、武尊は記者会見を開き、無期限の休養を発表している。ケガに加えうつ病、パニック障害で通院しており、心身ともに万全にして復帰したいという。

 復帰がいつになるかは分からない。その舞台がK-1ではない可能性もある。これからのK-1は武尊という絶対的エースを欠いた興行が続く。それをいかに盛り上げるか。まして『THE MATCH』では武尊だけでなく終盤3試合、大事な勝負どころで対抗戦連敗。K-1の復権、立て直しもテーマになってくる。

武尊のいない今、“次”のK-1を担うのは誰か

 8月11日の福岡大会では、大会公式ハッシュタグが「#K-1NEXT」に決まった。その意味するところは明確だ。“次”のK-1を担うのは誰か。それが今後のテーマになってくる。

 福岡大会ではフェザー級世界トーナメントが開催。続く9月11日には、スーパー・フェザー級の新王者を決めるトーナメントが待っている。武尊が休養発表と同時に返上したベルトだ。これもテーマは“NEXT”で間違いない。

 新たなK-1の顔という意味では、外せないのがKANAだ。初代女子フライ級チャンピオン。常に倒す闘い、K-1らしい闘いを意識してきた。6月25日にはK-1初の女子大会が開催。KANAはメインイベントで王座防衛戦を行い、スーリ・マンフレディにKO勝利を収めた。

 マンフレディのパワーとタフさには苦労させられたが、最後は鮮やかな左ハイキック。ボディブローや膝下を狙うカーフキックといった“下”への攻撃を的確に決め、相手の意識を下げさせたところで“上”への一撃が決まった。ハイキックは試合前から狙っていたし、カーフキックも「足から崩していくのが一番のテーマでした。(マンフレディは)膝下が長いので入るだろうっていう作戦です」という。

【次ページ】 「武尊くんの負けで…“絶対やったる”っていう気持ちに」

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