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「スーツの時はだいたいペーズリー柄のネクタイで遊んでいます」町田樹が明かす衣装へのこだわり「フィギュアスケートのベスト3を挙げるとしたら…」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/08/08 11:04

「スーツの時はだいたいペーズリー柄のネクタイで遊んでいます」町田樹が明かす衣装へのこだわり「フィギュアスケートのベスト3を挙げるとしたら…」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

テレビ収録も兼ねていたこの日はフォーマルスタイルの町田。フィギュアスケーターとしての衣装を中心に話を聞いた

 3つ目に「肉体美」を意識したプログラムの衣装をあげた。『ボレロ』(2018年)だ。

「身体そのものを衣装にするという考えで作った衣装です。モダンダンスをベースにした作品ということもあり、タイシルクのベルト以外装飾をほとんどなくしました。そのかわりに照明をシンプルにつくり、筋肉の線や陰影がそのまま衣装になるようにと、衣装もメッシュの透けるようなタンクトップの素材を選びました。大嫌いですが、筋トレもすごくがんばりました(笑)」

 一つひとつ、考え抜いて創られていることが本人の解説からは伝わってくる。

解説者として着るスーツにこだわりは?

 2018年のプロスケーター引退後は解説者としてスーツを着る機会が多くなった町田だが、何かこだわりはあるのだろうか。

「テレビに出演する場合は研究者あるいは解説者としてですが、TPOは外してはいけないので、やはりスーツですね。その上でトータルコーディネートを考え、どう彩りを添えるかを工夫します。ネクタイはたいていペーズリー柄で遊んでいます。この柄は微生物の世界にも、宇宙にも見えていろいろなイマジネーションをかきたててくれます。象徴性のジャングルみたいな味わいが私は好きですね」

 スケート靴を脱いで4年近くたつが、氷上で使用した衣装は今、どうなっているのだろうか。

「タンスのこやしというか、陽の目を見ないというか」

 そして続ける。

【次ページ】 アーティスティックスポーツでは、アーカイブは必要不可欠

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