大谷翔平12歳が「かなわない」と思った“同学年のライバル”…なぜ2人には“差”がついた？ 本人たちの証言「大谷君のスライダーを見た時…」

　12歳のとき――。

　大谷翔平は岩手のリトルリーグ、水沢パイレーツでプレーしていた。背は高かったものの細身だった大谷は、それでも誰より速いボールを投げ、誰よりも遠くへ打球を飛ばしていた。大谷は当時をこう振り返る。

「中学1年の夏、初めて全国大会へ出場することができたんです。あのときは今までで一番、嬉しかった……5、6年生と続けて負けて、すごく悔しい思いをして、それからは家の中でずっとボールとバットを持ってました。野球のことがちょっと頭にあるだけで全然違うと思ったので、ボールを上に投げてみたり、バットを握ってみたり、練習じゃなくても何か野球につながるようなことがないかといつも思っていたんです。あのとき、負けるという経験がないと悔しい思いもできないんだ、ということを知ることができたと思います」

花巻東高時代の大谷翔平　©JIJI PRESS

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大谷翔平を“すごいと思わなかった男”

　リトルリーグの最終年、大谷が中学1年のときの水沢パイレーツは、岩手県内では無敗。東北大会も勝ち抜き、全国大会への出場を決めた。その試合で大谷はとんでもないピッチングを披露する。6イニングの試合で、18個のアウトのうち17個を三振で奪ったのだ。大谷が三振を取るたびに、球場は静まりかえったのだという。

　しかし、そんな大谷を見て、すごいと思わなかった同級生がいた。それが、水沢パイレーツとともに東北大会を勝ち抜き、全国大会への出場を決めていた八戸青森リトルリーグ、長者レッドソックスの大坂智哉だった。大坂はこう言っていた。

「東北から全国大会に出られるのは2チームだったので、準決勝で勝てば出場が決まります。その第1試合が水沢で、ウチは第2試合だった。だから大谷君が投げているとき、僕らは外野でアップしていたんです。大谷君のことは噂に聞いていたので、どんなピッチャーなんだろうと思っていたら、9連続奪三振。すごいなとビックリしましたけど、打てないとは思わなかった。むしろ、打てると思いましたね（笑）」

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