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《セパ新人王争い》セーブ王の“二冠”も狙える巨人・大勢、育成出身ホークス大関友久が有力だが… 実はスゴい成績の“対抗馬”は?

posted2022/07/20 06:00

 
《セパ新人王争い》セーブ王の“二冠”も狙える巨人・大勢、育成出身ホークス大関友久が有力だが… 実はスゴい成績の“対抗馬”は?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

巨人のルーキーでクローザーを任される大勢。新人王争いはどうなる?

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki

 オールスター前の時点で今季セ・パ両リーグの新人王候補について見ていこう。

 新人王資格は、海外のプロ野球リーグに参加した経験がない選手で、支配下登録されてから5年以内、投手は前年までの一軍での登板イニング数が30イニング以内、打者は、前年までの一軍での打席数が60打席以内になっている。

昨季の新人王争いは空前の大豊作だったが

 昨年はセでは阪神の佐藤輝明、中野拓夢、伊藤将司、DeNAの牧秀悟、ヤクルトの奥川恭伸、広島の栗林良吏、パでもオリックスの宮城大弥、日本ハムの伊藤大海と、一線級の新人が続々登場し、新人王争いは空前の混戦となった。結局、新人王は広島の栗林とオリックスの宮城が獲得したが、セは佐藤、中野、伊藤将、牧、奥川、パも伊藤大が新人特別賞を獲得。空前の大豊作だった。

 今季は昨年からするとやや小ぶりだが、それでも目覚ましい活躍をしている新人がいる。成績を投打別に見ていく(成績は7月18日時点)。

<セ・リーグ 投手 投球回数10傑にセーブ、ホールドが5以上の投手>
 高橋宏斗(中)11試2勝4敗64.2回80振 率3.06
 山崎伊織(巨)12試2勝3敗55.1回33振 率3.90
 赤星優志(巨)20試3勝4敗3H 54.2回30振 率4.45
 西純矢(神)8試3勝2敗 47回39振 率3.64
 木澤尚文(ヤ)30試4勝2敗4H 42回34振 率3.21
 大勢(巨)36試1勝1敗25S5H 35.2回39振 率2.02
 平内龍太(巨)36試4勝3敗8H 34回28振 率3.71
 入江大生(De)30試1勝4H 34.2回40振 率3.89
 湯浅京己(神)34試1勝3敗24H 32回35振 率1.97
 松本竜也(広)25試1勝1敗30.1回27振 率4.75
 渡邉雄大(神)28試3勝1敗8H 17回16振 率2.12

 規定投球回数をクリアしている投手はなし。勝利数はヤクルト木澤、巨人・平内の4勝が最多。中日の高橋宏は11試合で7QS(クオリティ・スタート=先発で6回以上自責点3以下)と安定感があるが援護点が少なく4月20日以降、勝ち星がない。

 今季のセは救援投手が目立った働きを見せている。巨人の昨年ドラ1の大勢は現時点でヤクルトのマクガフに2差をつけて最多セーブ。阪神の湯浅も24ホールドでDeNAの伊勢大夢に2差をつけてトップだ(ホールドポイントでは2位)。

ヤクルト長岡と内山は健闘している

<セ・リーグ打者 安打数10傑>
 長岡秀樹(ヤ)82試304打79安5本36点2盗 率.260 OPS.646
 蝦名達夫(De)47試131打37安2本7点6盗 率.282 OPS.706
 鵜飼航丞(中)51試155打32安4本15点1盗 率.206 OPS.613
 増田陸(巨)46試117打30安4本15点2盗 率.256 OPS.728
 石川昂弥(中)37試129打29安5本19点 率.225 OPS.675
 内山壮真(ヤ)44試113打28安1本12点 率.248 OPS.694
 中村健人(広)44試99打26安3本10点 率.263 OPS.699
 末包昇大(広)26試69打21安2本14点 率.304 OPS.741
 中山礼都(巨)41試107打20安2点3盗 率.187 OPS.426
 熊谷敬宥(神)46試34打5安2点7盗 率.147 OPS.290
 宮本秀明(De)27試33打5安1本2点 率.152 OPS.564

 ヤクルトの長岡が規定打席に達し打率19位。遊撃のポジションを得たが打撃成績は物足りない。以下の選手はレギュラーをつかんだとは言い難い。ヤクルトでは内山が故障で出遅れた正捕手中村悠平の代役を見事に果たした。

 セの新人王は、巨人・大勢、阪神・湯浅の「救援投手勝負」になりそうだ。湯浅は独立リーグ富山出身。新人王になれば独立リーグ出身では初となる。

【次ページ】 大関は“ソフトバンクらしい”育成枠からの出世

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