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ヤクルト1000並みに株が爆上がり「交流戦優勝スワローズ」の総合力 MVP村上宗隆は当然だけど…リリーフ陣の成績も凄まじい

posted2022/06/14 17:01

 
ヤクルト1000並みに株が爆上がり「交流戦優勝スワローズ」の総合力 MVP村上宗隆は当然だけど…リリーフ陣の成績も凄まじい<Number Web> photograph by Kyodo News

4年ぶり2度目の交流戦優勝を果たした東京ヤクルトスワローズ

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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「ヤクルト1000」を、ネットでずいぶん高い値段で買って家人に叱られたところである。ヤクルト株が上がっているのは間違いないところだ――もちろんこの項は、交流戦を制したスワローズの話である。

 セ・リーグは交流戦で55勝53敗、わずか2つの勝ち越しながら2年連続でパに勝ち越した。これは初。特に終盤戦のセ・リーグの粘りは見事だった。

 昭和の昔、セパが激突するオールスター戦で野村克也らパの宿将が集まって「対セ戦略」で知恵を絞り「人気のセ、実力のパ」を証明すべく必死で戦ったが、今の交流戦はセのチームが「意地を見せる」場へと転換したのかもしれない。

ヤクルトと阪神は得失点差以上に勝敗にこだわった?

 ただし数字を見れば勝負へのこだわりを見せたのは、セでは2球団だった。両リーグの交流戦の結果と、得失点差による「ピタゴラス勝率=P率」を並べるとこのようになる。

〇セ・リーグ 55勝53敗 率.509
ヤクルト14勝4敗 率.778(78得51失 P率.701)
阪神12勝6敗 率.667(62得38失 P率.727)
DeNA9勝9敗 率.500(59得56失 P率.526)
巨人8勝10敗 率.444(61得78失 P率.380)
中日7勝11敗 率.389(45得69失 P率.208)
広島5勝13敗 率.278(33得83失 P率.137)

〇パ・リーグ 53勝55敗 率.491
ロッテ10勝8敗率.556(66得59失 P率.556)
ソフトバンク9勝9敗率.500(68得45失 P率.695)
西武9勝9敗率.500(69得55失 P率.611)
楽天9勝9敗率.500(50得56失 P率.444)
日本ハム8勝10敗率.444(69得66失 P率.522)
オリックス8勝10敗率.444(53得57失 P率.464)

 ヤクルトは全球団に勝ち越す完全優勝。圧勝と言ってよい一方で、得失点差によるピタゴラス勝率では阪神に劣っている。得失点差以上に「勝ちにこだわった」結果だと言ってよい。そして阪神も大きく勝ち越した。春先から最下位に沈んでいたものの、ようやく戦力に見合った働きをした。さらにDeNAも5割をクリア。しかし巨人、中日、広島はふがいない結果に終わった。

 パ・リーグではロッテが唯一勝ち越した。ピタゴラス勝率ではソフトバンクが優勝争いをしていたことになっている。今年のホークスは大勝する試合もあったが、競り負けることも多かった。

 そして他のチームは「勝ったり負けたり」を繰り返した。少なくともヤクルト、阪神に比べて「勝利への執念」で見劣りしたということができよう。

ヤクルトの「逆転勝ち」と村上の成績が凄まじい

 ヤクルトの執念を示す数字が、交流戦の「逆転勝ち」の数である。

【次ページ】 内山・中村・川端・坂口が存在感を示した

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東京ヤクルトスワローズ
高津臣吾
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