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八村塁、NBA3年目の“最大の収穫”は?「遅れて合流したけれど、とてもいいシーズンだった」夏は人生初の完全オフ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO

posted2022/04/19 17:01

八村塁、NBA3年目の“最大の収穫”は?「遅れて合流したけれど、とてもいいシーズンだった」夏は人生初の完全オフ<Number Web> photograph by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

コーチ陣が一新されたNBA3年目。チームへの合流も遅れたが、成長を感じさせる活躍を見せたワシントン・ウィザーズの八村塁

 シーズン途中から合流した八村にとって大変だったのは、去年夏にウィザーズのコーチ陣が一新していたこと。トレーニングキャンプを経験することなく、シーズン半ばで復帰してから新ヘッドコーチのアンセルドJr.のシステムを学び、慣れることは簡単なことではなかった。それでも、八村は高い適応力を見せ、シーズン終盤にはチーム内でのケミストリーも築かれ、八村自身も力を出せるようになっていった。

 ウィザーズGMのトミー・シェパードは、そんな八村の今季の成長についてこうコメントしている。

「ふつう、トレーニングキャンプやプレシーズンに出られなかった場合、戻ってきても、いいシーズンを送ることは難しいのだが、塁はその点、よくやっていた。特に出場時間の制限がなくなり、スターターになってからは私たちが思い描いていたようなプレーをするようになった。それはすばらしいことだ」

 アンセルドJr.HCも、シーズン途中で加入した八村の適応力を称賛する。

「合流直後に出場時間制限があったりしながらも、その状況のなかでよく適応できていた。最後には、昨季と同じようにスターターとして出場し、高いレベルでプレーしていた。ゲームの幅を広げ、実戦のなかで色々と吸収していく能力はよかった」

今シーズン最大の収穫とは?

 ウィザーズはレギュラーシーズンを35勝47敗、イースタン・カンファレンス12位で終え、プレイオフもプレイイントーナメントも逃した。それでもシーズン終盤、プレイオフ不出場が確定した後の時期でも、手を抜くことなく、最後まで戦い抜いたことについて、八村はこう語っていた。

「僕も負けるのが好きじゃないので、チームを勝たそうという気持でやったんですけれど、なかなかいい結果にならなかった。何回かはいい試合で勝ったんですけれど……。プレイオフに行かないとなっても、勝つことが大事ということをしっかりやっていかなきゃなと思ってやっていました」

 シーズンの前半にはチームを離脱せざるをえない状態だった八村が、シーズン終盤には負けず嫌いの気持ちを出し、試合に勝つためにプレーした。チームからも成長を評価され、八村自身も納得のいくシーズンを送ることができた。それこそが、今シーズン最大の収穫だった。

【次ページ】 今年の夏は「完全なオフ」

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八村塁
ワシントン・ウィザーズ

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