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打者・大谷翔平を抑える方法は? 日米通算170勝・岩隈久志が分析「とんでもないボール球でもホームランにするじゃないですか…」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byGetty Images

posted2022/03/27 11:02

打者・大谷翔平を抑える方法は? 日米通算170勝・岩隈久志が分析「とんでもないボール球でもホームランにするじゃないですか…」<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平の「レフト方向の飛距離」を高く評価した岩隈久志。菊池雄星との対戦を例に出しながら、その凄さを語った

 大谷くんの場合は彼独特のストライクゾーンというものを持っていて、とんでもないボール球でもホームランにするじゃないですか。そこはもう打たれちゃったら仕方ない。あれは打ったバッターが上手だったというか、そこに関して投手は打たれてもあまり考えない方がいい。だって狙ったところにボール球を投げているのに、それをカーンと打たれるのですから。お手上げです。

 だとしたら投手が考えるべきは、いかに彼のタイミングをずらすかってことですね。間合いとか、ちょっと余裕があればテンポを速めて打席で考えさせないで投げるとか。結局は、そういうことをしないと抑えられない打者なのだと思います。

 もちろん彼はピッチャーとしても凄いです。ただ投手・大谷翔平はまだ完成形じゃない。逆に打者・大谷翔平は、すでにあれだけ遠くに飛ばせて、日本人でもホームラン王を獲れる力があることを証明するくらいの選手になっている。だから僕は最初はピッチャーよりバッターの方がいいんじゃないかな、と思っていました。でも実際に今年の彼のプレーぶりや成績を見て、いまは二刀流としてここまでの道を作ってきた通りに、この先も作っていくのもいいのかなって思うようになっています。

 しかも実際に二刀流をやることで、いままでのメジャーのルールを変えた男ですからね。二刀流としてベーブ・ルースって名前が出てくる時点で凄いけど、彼はすでにその域までいっている。

 さらにスケールアップして伝説になって欲しいし、実際にそういう選手になれる、なる選手だと思います。二刀流を続けることで、さらに彼自身にとってもこの先にいろんな道が開けてくるし、これは彼だけが築いていける道だと思うからです。

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