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長州力が極秘会談で「ドームを押さえろ!」 新日本vsUインター、“日本プロレス史上最大の団体対抗戦”が電撃開催された“本当の理由”  

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph byEssei Hara

posted2022/02/06 06:01

長州力が極秘会談で「ドームを押さえろ!」 新日本vsUインター、“日本プロレス史上最大の団体対抗戦”が電撃開催された“本当の理由” <Number Web> photograph by Essei Hara

最終第8試合、Uインターの絶対エース・高田との16分16秒の激闘を制した武藤が、誇らしげにベルトを掲げた

「ドームを押さえろ!」電撃的に開催が発表される

 8月中旬、都内のホテルでUインターと新日本は極秘会談を持ち、対抗戦実現に合意。そして8月24日、あらためて長州と高田が記者の前で電話会談を行い、長州の「ドームを押さえろ!」の一言によって、電撃的に10・9東京ドームでの全面対抗戦開催が発表されたのである。

 永田裕志は、この決定をもっとも早く知ったレスラーのひとりだ。

「当時、僕は長州さんの付き人をやっていたので、どうしても長州さんが電話で話している内容とかが耳に入ってくるんですよ。だから『UWFがどうのこうの』というのはすでに聞いていたんですけど、10・9の全面対抗戦が発表されて、点が線になった感じでしたね」

 そんな永田に大仕事が舞い込んでくる。

 10・9の全面戦争に先がけ、9月23日に横浜アリーナで前哨戦が開催されることが決まった。そこで永田は長州のパートナーに抜擢され、安生洋二&中野龍雄と対戦することになったのだ。

永田裕志「長州さんに『今日の主役はおまえだ』って」

「大会前のトレーニングキャンプ中、長州さんから『もしかしたら横浜は、お前でいくかもしれない。準備だけしておいてくれ』って言われたんです。俺にもついにチャンスが来たか、と武者震いしましたね。でも、長州さんのパートナーは当日まで『X』として伏せられていて、僕は第1試合で高岩竜一戦が組まれていた。だから、あの話はなくなったと思っていたんですよ。そしたら試合後、『次、もう一丁いけ!』って言われて、結局2試合やったんです。おそらく長州さんは、『ウチの若手、しかも2試合目の奴でも十分なんだ』というところを見せようとしたんでしょうね」

 対抗戦第1ラウンドということで、場内は異様にヒートアップする殺伐とした雰囲気に。その中で、永田は安生&中野相手に互角以上の攻防を展開。最後は中野の腕ひしぎ十字固めの前に敗れたものの、観客に「永田強し」「新日本強し」を印象付け、長州の期待に見事応えてみせたのである。

「試合後、長州さんに『今日の主役はおまえだ』って言われたときは、うれしかったですね。あと、『わかっただろ? あいつらの技術を封じ込める力を俺らは持ってるんだ』と、新日本の優位性を強調することを話していたと思います。それを僕が証明した形になったので、『よくやった』ということだったんでしょうね」

 そして迎えた10・9東京ドーム当日。横浜で名を上げた永田は第1試合を任され、石沢常光と組んで、金原弘光&桜庭和志と対戦した。

【次ページ】 “異種格闘技戦”のような殺伐とした緊張感

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