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堀口恭司が誓う、衝撃KOからの復活劇「格闘技の面白さを伝えられた」「来年みんなぶっ飛ばしてチャンピオンになるんで」

posted2021/12/30 11:03

 
堀口恭司が誓う、衝撃KOからの復活劇「格闘技の面白さを伝えられた」「来年みんなぶっ飛ばしてチャンピオンになるんで」<Number Web> photograph by NumberWeb

衝撃のKO負けを振り返った堀口恭司。しっかりと受け入れつつ、再び次のステージに視線を向けていた

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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12月3日米国・コネチカット州で行われた『Bellator272』で、Bellator世界バンタム級タイトルマッチに挑んだ堀口恭司(31歳)は、王者セルジオ・ペティスのバックブローをもらいKO負けを喫した。試合を優勢に進める中での一撃に、日本国内でも衝撃が走った。あれから1カ月が経とうとする今、どんな心境でいるのだろうか。(聞き手:田中大貴)

――先日は試合、お疲れ様でした。もうトレーニングは再開しているんですか?

堀口 今はまだトレーニングできないんですよ。KOされたら、確か6週間ぐらい練習しちゃダメと言われているので。暇すぎて、何もやることないですよ(笑)。

――何をして過ごしているんですか?

堀口 『SEKIRO』というゲームがあるんですけど、めちゃくちゃ強いんですよ、相手が。だからそれをやりまくって、負けまくって、フラストレーション溜めています(笑)。毎回「コノヤロー」って言いながらずっとやっていますね。

――先日のセルジオ・ペティス戦について。試合後、病院へ直行したと伺いました。

堀口 いつも自分がKOもらう時って“意識外”からパーンとくるやつなんで。たぶん、自分はそんな打たれ強いタイプではないですよね。意識が戻ったのは病院について検査をやっている時。「あ、これ負けたな」と。だからその後の控室とか、全部記憶がない。

――現地のお写真で見ましたが、担架で退場するときに腕を上げていましたよね?

堀口 あれもまったく覚えてないですね。

――そういった感覚は久しぶりですか?

堀口 そうですね、そんなに味わうこともないので。まあ本当に「やっちゃったな」という気持ちですね。悔しさというよりは、周りの人たちがアメリカまでわざわざ来ているのに申し訳ないという思いです。

「格闘技の面白さを伝えられた」

――朝倉海選手に敗れた時も周りの方々へ「申し訳ない」と話していました。

堀口 これまで勝つために周りがいろいろサポートしてくれて。自分の仕事は試合じゃないですか。そこで成果が出なかった、となると恩返しができないと自分は感じているので。人間としてやっちゃダメなことだろうというのは、常に思っていますね。

――意識が戻った後、どんなことを考えていたのでしょう?

堀口 マイク(・ブラウン/コーチ)とか、みんなに「すいませんでした」と謝りました。自分のこととしてはもちろん悔しいですし、3~4月にはトーナメントもあるので、そこでやり返そうという気持ちもありますが、やっぱり周りに申し訳ないという感じですね。

――日本の多くの人たちが、この敗戦に驚いたと思います。同時に、これを機に堀口恭司がまた強くなると感じました。

堀口 いい刺激だったと思いますし、1つミスしたら負ける世界だよという格闘技の面白さを日本の人たちにも伝えられたんじゃないかなと思いますね。絶対勝つということがない世界なんだよ、というか。ましてやアメリカに挑戦して強い選手とやっているので、こういうことも当然ある。

――これが本場アメリカの、Bellatorの魅力であり、格闘技の醍醐味なんだと。

堀口 それと同時に自分の復活劇というか、そういう部分を期待してもらえるわけで。そこで自分がまた見せれば、格闘技が盛り上がる。業界全体が盛り上がる。そんな気はしていますけどね。

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