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宇野昌磨「彼(鍵山優真)に尊敬されてるからこそ」…2人とも4回転“4種類5本”を目指すワケ<ゲームも一緒にする仲に> 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto(L), AFLO(R)

posted2021/10/12 17:01

宇野昌磨「彼(鍵山優真)に尊敬されてるからこそ」…2人とも4回転“4種類5本”を目指すワケ<ゲームも一緒にする仲に><Number Web> photograph by Asami Enomoto(L), AFLO(R)

(左)2チーム対抗戦で行われたジャパンオープンに出場した宇野(右)関東選手権のフリーで3種類の4回転ジャンプを4本入れる構成に初チャレンジした鍵山

「世界のトップ選手と一緒に試合をしたことで、やはり4回転はあと1、2種類増やさないと、というのを目の前で実感しました。今までは成功率が高くないジャンプは試合では入れず、完璧に跳べるジャンプで安定性を重視してきました。でも来季は五輪に向けて、シーズン最初から1種類増やして、うまくいけばもう1種類組み込みたいです」

4回転ルッツは「やれば出来そうだなと思います」(鍵山)

 3月末に帰国すると、うずく気持ちをそのままに、4回転ループの練習を再開。するとたった2日目には軽々と降りた。「今まで正月から練習してきた中で一番いい、まるで普通に跳べていたかのような4回転ループでした。でもループは跳べてもたまたまの1発だったりします。エッジ系のジャンプは安定させるのに1年以上かかると思うので、これから練習する本数を増やしていきたいです」

 一方、4回転ルッツに関しては強気を見せた。

「まだ練習していませんが、やれば出来そうだなと思います。父も話していますが、3回転ルッツの締め方をちょっと変えれば4回転を回れると思うので、はやく練習を始めたいです」

 4月のアイスショー期間を終えた鍵山は、5月から本格的に4回転ループとルッツの2種類の練習に着手。するとその姿を、同じリンクで練習していた宇野が、じっと見つめていた。コロナ禍のためにスイスに渡らず、週末になると、鍵山と同じ貸切練習に参加していたのだ。宇野は言う。

宇野「期待にこたえられる選手でいたい」

「優真くんと一緒に練習するようになって、彼が4回転ルッツとループを降りてるのを見て、僕も3種類だと時代が流れるにつれて置いていかれてしまうんじゃないかと思いました。それに彼に尊敬されてるからこそ、期待にこたえられる選手でいたいと思い、僕も4回転ループを跳びたいと思いました」

 宇野が4回転ループを入れていたのは、平昌五輪のあった2017-18シーズンが最後。ここ3シーズンは、3種類の4回転で戦っていた。しかし鍵山を前に、負けず嫌いの気持ちに火が付いた。

【次ページ】 宇野と鍵山は一緒にゲームもする仲になった

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