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「カズさんの言葉が、僕の背中を」ドリブラー松井大輔40歳、フットサル転向を“サッカー指導者を目指すため”と語るワケ

posted2021/09/15 11:03

 
「カズさんの言葉が、僕の背中を」ドリブラー松井大輔40歳、フットサル転向を“サッカー指導者を目指すため”と語るワケ<Number Web> photograph by Getty Images

若き日の松井大輔に大きな影響を与えたカズ。フットサル転向でもその存在は大きかった

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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南アフリカW杯で日本代表のベスト16入りに貢献し、フランスなど各国でプレーした松井大輔が、フットサル挑戦を決断した。40歳のタイミングでの“他競技挑戦”や先輩であるカズとの秘話について聞いた(全2回/前編も関連記事からご覧になれます)

 フットサルはサッカーとプレーの可動域の大きさも、また体にかかる強度の度合いも異なる。

「コートの縦の長さがサッカーの半分以下。距離は短いですが、短時間にスプリントを複数回繰り返す必要があります。速く走る本数を増やすところはサッカー以上に求められます。あとは一瞬で敵を剥がす俊敏性や、攻守の切り替えの場面でのキレがより重要です。

 これからトレーナーと一緒に新たな体作りがはじまります。とはいえ、サッカー以上に技術的なプレーを押し出せる機会が多いのも確かです。僕の武器が発揮できると思っています」

 Y.S.C.C.横浜のフットサルチームに加入した松井大輔は、今回の参戦についてこのように語っていた。小さなコートで、どれだけワクワクするプレーを見せてくれるか。ここまでは予想できた話だった。ただ、松井にはフットサル転向へのさらに深いモチベーションが存在した。

フットサルはとても論理的な競技である

 大前提として、フットサルはとても論理的な競技である。

 サッカーは広いピッチの至るところに数的有利、不利の局面が出来上がる。現代フットボールでは、それを偶発的ではなく、いかに自発的に狙いを持って生じさせるか、いわばロジカルな方法論で相手とその“やり合い”をしていくのである。

 フットサルは狭小コートで、ほぼ数的同数のままプレーが進む。それはイコール、相手を突き崩しにくい局面がサッカー以上に常態化している競技とも言える。

 バスケットボールやハンドボールに近く、さらに手より自由の利かない足でボールを扱う。そこで自ずと必要になってくるのが、ロジックに基づいた戦術やコンビネーションプレー。個人技を発揮することは確かにフットサルの大きな魅力ではあるが、単発的なプレーだけに頼っていてはいつまで経ってもゴールは遠い。

【次ページ】 グアルディオラも、松井も注目した戦術性とは

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