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甲子園は“五輪でも起きた”SNSの批判にどう向き合うか 「不満の声に順延を決めた?」の質問に大会本部は明言こそしないが…《今日も雨》

posted2021/08/19 11:04

 
甲子園は“五輪でも起きた”SNSの批判にどう向き合うか 「不満の声に順延を決めた?」の質問に大会本部は明言こそしないが…《今日も雨》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

降雨コールドとなった大阪桐蔭vs東海大菅生。今大会の運営について大会本部に質問してみたところ……

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間淳

間淳Jun Aida

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 まだ薄暗い18日の午前5時半。論議を引き起こした一戦から一夜明け、この日の朝も大会本部は難しい判断を迫られていた。試合を開催するのか、中止するのか。大会本部委員や気象アドバイザー、それに球場関係者ら10人ほどが協議していた。

 17日は第1試合のみを行い、予定されていた残りの3試合は雨で中止となった。8月9日の開幕が1日遅れて始まった今夏の甲子園は、17日までに5日間の順延である。3日間予定されていた休養日は、2日間なくなっている。関係者による約30分間の協議。この時間、雨はそれほど強く降っていなかった。

 だが、大会本部は「本日は雨が降ったり止んだりという不順な天候が続くとの予想から、中止すべきと判断しました」と予定していた3試合全てを中止する決定をした。これで過去最多6日目の順延となった。

降雨コールドの結末に疑問の声が上がった

 この24時間前も、大会本部は頭を悩ませていた。17日も天気予報は雨。断続的に雨が降る不安定な天気になると予想されていた。東海大菅生と大阪桐蔭の第1試合が始まる午前8時時点では、傘をさす必要がないほどの状況だった。

 しかし、イニングを重ねるごとに雨は強くなり、試合中盤に差し掛かる頃にはグラウンドに水が浮き始めていた。投手は足を滑らせてバランスを崩し、打球はぬかるんだグラウンドで勢いを失った。結局、8回表の東海大菅生の攻撃中に試合が中断され、そのまま降雨コールド。大阪桐蔭が7-4で勝利した。

 天気は人の力で変えられない。

 両チームとも雨の中でプレーする条件は同じで、7回を終了すれば試合が成立することはルールで決まっている。それでも、降雨コールドの結末に疑問の声は上がった。

【次ページ】 ネット上の“不満”は順延決定に影響したのか

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