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元首位打者が“代打の一振り稼業” ホークス長谷川勇也とヤクルト川端慎吾のバットコントロールはサビつかず【週刊セパ記録】 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/06/08 06:00

元首位打者が“代打の一振り稼業” ホークス長谷川勇也とヤクルト川端慎吾のバットコントロールはサビつかず【週刊セパ記録】<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ソフトバンクの長谷川勇也とヤクルト川端慎吾。かつての首位打者が代打として一仕事する姿に感銘を受けるファンも多いだろう

 そんな不利な条件で、代打は一振りで勝負しなければならない。ここで活きてくるのが「経験」だ。様々な投手と対戦した経験があるベテラン打者は、初めての対戦でも相手投手の特性を鋭く見抜いて結果を出すことができるのだ。

 長谷川は6月5日の阪神戦で8回1死から代打で登場して、阪神・湯浅大から右中間に2点二塁打。左打者だが、左投手にも7打数2安打している。

 一方の川端は6月6日の西武戦で8回1死から代打で登場し、西武・宮川哲から右翼線に2点二塁打。彼も左投手に3打数1安打である。

 レギュラーで出場しなくても、十分に存在感を示しているのだ。もちろん2人ともにポジション獲得をあきらめたわけではないだろうが、少ないチャンスをモノにする実力、経験値の高さは称賛に値する。

小さな大打者・若松は不惑を過ぎても代打で大活躍

 シュアな打撃の強打者が選手生活後半に代打として活躍した例としては、首位打者2回、通算打率.319の若松勉の名前が浮かぶ。

 若松は40歳になった1987年には代打で36打数16安打、打率.444、1988年は62打数24安打、打率.344、最終年の1989年は48打数11安打、打率.229だったが代打本塁打を2本打っている。「小さな大打者」は、不惑を過ぎても恐るべき存在だったのだ。

 長年磨き上げた打撃技術は、登場機会が減っても錆びつかないのだ。2人の実績ある強打者の「ひと振り稼業」に注目したい。

達成記録と記録予報

<達成記録>
・1000試合
安達了一(オ)6月2日阪神戦 史上512人目
・100本塁打
亀井善行(巨)6月5日日本ハム戦 史上302人目
・150勝
涌井秀章(楽)6月4日広島戦 史上49人目

 現役ではヤクルト石川雅規の174勝に次ぐ2位。西武、ロッテ、楽天の3球団で最多勝という史上唯一の記録を樹立。交流戦25勝は杉内俊哉の26勝について史上2位タイ。今季6勝はチームメイトの早川の7勝に次いで2位である。

<記録予報>
・1000試合
あと10 中村悠平(ヤ) これまで512人
・1500試合
あと1 坂口智隆(ヤ) これまで195人
・1000安打
あと1 バレンティン(ソ)これまで309人
・100本塁打
あと5 ロメロ(オ) これまで302人
・150本塁打
あと8 メヒア(西) これまで177人
・200本塁打
あと4 内川聖一(ヤ) これまで109人
・250本塁打
あと1 坂本勇人(巨) これまで64人
・300本塁打
あと1 バレンティン(ソ)これまで42人
あと6 松田宣浩(ソ)これまで42人
・300盗塁
あと1 糸井嘉男(神) これまで29人
・300犠打
あと6 菊池涼介(広) これまで7人

・100勝
あと2 西勇輝(神)これまで139人
・150勝
あと8 和田毅(ソ)これまで49人
・150セーブ
あと6 増田達至(西)これまで16人

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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