――自分の影響力を把握できていないままスターダムに乗った結果、不祥事などを引き起こす著名人は後を絶ちません。河村選手がそれをきちんと理解し、覚悟を決めた上で楽天さんと契約したというのは頼もしいですね。

原　そうですね。最近は、撮影中の眼差しや動作にも試合さながらの真剣さが表れています。撮影に慣れてきたというのもあるんでしょうが、それ以上に彼の覚悟の強さを感じています。

学業と部活は第一優先

――契約に際して、河村選手側からは何か要望はありましたか？

原　学業と部活が第一優先ということは強くリクエストされているので、授業や練習の時間を阻害しない、活動が夜間でも必ず21時までには帰宅できるよう心がけています。河村選手はアスリートとしてのコンディショニング意識が非常に高いので、現場で提供するケータリングも、今は炭水化物、今はフルーツやサラダといったように、時期や時間に応じて変更しています。

――ちなみに、御社で河村選手に関わっている方は何人くらいいらっしゃるのですか？

原　広く関わっている人数は20人くらいですかね。コアで活動するメンバーは5人ほどです。

今年2月28日に横浜ビー・コルセアーズでの特別指定選手としての活動を終えた河村。出場16試合中、横浜の勝利は6にとどまった　©B.LEAGUE

――バスケ界では知らぬ者はいない河村選手ですが、一般的に見ればまだ知名度は高くありません。営業活動時、企業の反応はいかがでしたか？

原　本格的なセールス活動を始めたのは秋口からでしたが、思っていた以上に認知されていました。その中でも「フレッシュ」という印象を持っていただきましたね。河村選手はこれからという年齢ですし、バスケットからもアップカミングな勢いを感じると。スポーツ協賛に慣れているマーケターの方々からも、「盛り上がりを見せる日本バスケと若い河村選手はマッチしている」とお話を聞いていただけました。

――契約締結時のプレスリリースに「スポンサーシップの獲得などを通じた河村選手のブランディング活動およびアスリートとしてのキャリア構築の支援を行います」とあります。前者についてはどのような企業にフォーカスされているんですか？ 

原　アスリートやスポーツ団体に協賛されている企業は、もちろんターゲットです。これらの企業はすでに素晴らしいアスリートやスポーツ団体ともパートナー関係にあり、河村選手もその一員として迎え入れていただき大変光栄に思うと同時に、私も身が引き締まります。今後は、スポーツ関連企業以外へのアプローチも積極的に行い、河村選手の人間性やこれまでの道のり、そしてこれからのストーリーに共感していただけるパートナー企業との歩みを増やしていきたいと思っています。

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