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マイナーリーガーの給料アップ、女性の幹部起用に「インディアンス」名称変更…米野球界に広がる“社会的変革の波”

posted2021/03/31 17:01

 
マイナーリーガーの給料アップ、女性の幹部起用に「インディアンス」名称変更…米野球界に広がる“社会的変革の波”<Number Web> photograph by GettyImages

開幕投手を務める前田健太(左)とダルビッシュ有(右)。日本人投手2人が選ばれたのは4年ぶりだ

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 2021年のメジャーリーグ(MLB)が開幕する。

 オープン戦で大活躍の「投打二刀流」大谷翔平選手(エンゼルス)、開幕投手が決まったダルビッシュ有(パドレス)と前田健太(ツインズ)両投手、今年から「メジャー挑戦」する有原航平(レンジャーズ)、澤村拓一(レッドソックス)両投手、菊池雄星投手(マリナーズ)、筒香嘉智選手(レイズ)……。日本人選手を通じてMLBを見ている人々にとっては、とても楽しみなシーズンになりそうだ。

 日本人に関係ないMLBファンにとっては、前年のチャンピオン、つまりドジャースの「連覇なるか?」が毎度お馴染みのテーマなのだが、ドジャースとパドレスがほとんど「一騎打ち」状態でペナントレースを争うナショナルリーグ(NL)西地区より、「群雄割拠」の様相を呈しているアメリカンリーグ(AL)西地区の方が気になる。

日本人選手の活躍次第で「勢力図」が変わる?

 セイバー系サイトの『FanGraphs』の予想では、AL西地区の優勝確率は1位アストロズ、同2位エンゼルス、3位アスレチックス、4位マリナーズ、5位レンジャーズとなっており、大谷、菊池、有原の日本人3人の活躍次第でその勢力図が変わるかも知れない。

 ジャスティン・バーランダーという大黒柱を失ったアストロズの対抗馬に推されているのはエンゼルスだが、マイク・トラウトが初めてAL最優秀選手賞を獲得した2014年以来、プレーオフから遠ざかっており、過去数年、「打高投低」を顕著にする補強しか行っていない。アストロズやアスレチックスが「弱体化した」と見られている今季も勝てなければ、ファンも我慢の限界に達するのではないか。

 それは過去数年、「いったい、何回チームを立て直しするの?」というぐらい激しく選手が出入りしながら、イチローがデビューした2001年以来、プレーオフ進出から遠ざかっているマリナーズも同じだろう。エンゼルスのように編成トップが変わらないのが不思議なぐらい勝てないチームなので、現状を打破して欲しいところだ。

開幕出場は絶望的 レッズ秋山は今……

 日本人なので地区優勝の確率の低いマリナーズを無理やり入れてAL西地区を「群雄割拠」と表現したが、本物の「群雄割拠」はNL中地区だろう。前出の『FanGraphs』によると地区優勝確率1位ブルワーズ、2位カージナルス、3位カブス、4位レッズ、5位パイレーツと、実質的に「4強1弱」である。

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