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本田圭佑の移籍不成立に「いい気味だ」 ボタフォゴファンから痛烈な皮肉…降格で救世主から嫌われ者に 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2021/03/02 17:00

本田圭佑の移籍不成立に「いい気味だ」 ボタフォゴファンから痛烈な皮肉…降格で救世主から嫌われ者に<Number Web> photograph by Getty Images

フットボールにおける本田圭佑のブラジル挑戦は、決して成功とは言えなかった

主将に指名されてリーダーの振る舞いを見せたが

 シーズン中盤までは、概ね順調だった。

 3月のリオ州選手権のデビュー戦で、PKを決めて初得点。その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月末までシーズンが中断されたが、再開後、キャプテンに指名され、ピッチ内外でリーダーとして振る舞った。

 しかし、クラブの財政難から選手への給料の遅配が続き、チーム全体の士気が低下する。選手どうしの連携も噛み合わない。

 本田自身も、10月のコパ・ド・ブラジルの試合で痛恨のパスミスを犯す。これが失点、そして黒星に直結し、チームは敗退した。以後、チームは監督が解任され、状況がさらに悪化し、また監督が更迭される……という泥沼にハマる。

 本田は監督に戦術変更を訴え、財政難に悩むクラブに再建案を示した。しかし、新顔の外国人選手の意見が考慮されることはなかった。

ファンを激怒させたツイート内容

 このような状況で、12月初め、ポルティモネンセ(ポルトガル)からオファーが舞い込む。当初は、「この時期に(降格の危機に直面する)チームを離脱するわけにはいかない」と残留を明言した。

 ところが、12月19日のコリチーバ戦で左太腿を痛めて交代し、全治約1カ月の診断を受ける。残留争いの重要な時期を欠場することになってしまった。

 すると、12月末、自身のツイッターで「個人として、またプロ選手としての理由から」としてボタフォゴ退団を発表した。「今季、僕はとても幸せだった。ありがとう」、「今後、アジアにおけるボタフォゴのアンバサダーを務めるなど引き続きクラブを支援したい」とも付け加えた。

 これらのメッセージが、すでに本田のプレー内容に大いに不満だったボタフォゴ・ファンを激怒させた。

【次ページ】 「幸せなのはお前だけ」「俺たちを見捨てるのか」

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