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ダルビッシュの「遊びまくっていた」発言で思い出した“スポーツの本質” 山本昌のスクリュー、ラモスの空振り

posted2021/02/25 11:04

 
ダルビッシュの「遊びまくっていた」発言で思い出した“スポーツの本質” 山本昌のスクリュー、ラモスの空振り<Number Web> photograph by Getty Images

高校時代、変化球で“遊びまくっていた”と語っていたダルビッシュ有。スポーツの本質に気づかせてくれるエピソードだった

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熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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Getty Images

 週末夜のスポーツニュース『Going!』に、ダルビッシュ有が出演していた。「魔球プロジェクト」という企画が始まったようだ。

 オンラインで行なわれた亀梨和也さんのインタビューで、彼はドキッとするようなことを口走った。

「高校時代は何種類投げていましたか?」とたずねられ、こう答えたのだ。

「遊びまくっていた時代だったので」

 悪い遊びに走ったのかと思いきや。

「遊びまくっていた時代だったので。変化球で。縦スラで何種類も遊びで投げて、カーブでもナックルでもありとあらゆる球を投げていました」

 遊びまくったのは変化球。つまらないことを考えた自分を恥じた。

 微妙な握りも披露したインタビューで、もっとも印象に残ったのはたびたび出てきた「遊び」という言葉。ダルビッシュは野球を遊びながら、多彩な変化球を身につけた。このスポーツを遊ぶマインドが、日本には足りないと思う。

「メキシコ人野手に握りを教わりました」

「遊ぶ」を繰り返したダルビッシュのインタビューで、思い出した名投手がいる。日本プロ野球史上初の50歳現役に到達した、山本昌さん。

 若手時代に留学したアメリカで、昌さんがスクリューボールを会得したのは、チームメイトの遊びがきっかけ。

「ラテン系の選手たちは、キャッチボールでもいろんな握りで遊んでいて、あるとき面白い変化球を投げていたメキシコ人野手に握りを教わりました。それがスクリューボールなんです」

 スクリューは、クビ寸前の昌さんをドラゴンズ先発陣の一角に引き上げる運命のボールとなる。

 

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