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【川崎に加入】またも鮮烈な高校生Bリーガーが! なぜ米須玲音は美しいロングパスをドンピシャで通せるのか 

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青木美帆

青木美帆Miho Awokie

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photograph byKAWASAKI BRAVE THUNDERS

posted2021/01/15 17:01

【川崎に加入】またも鮮烈な高校生Bリーガーが!  なぜ米須玲音は美しいロングパスをドンピシャで通せるのか<Number Web> photograph by KAWASAKI BRAVE THUNDERS

類まれなパスセンスを持つ米須玲音。Bリーグでどこまでその才能を発揮できるか

プロでも見られない超絶プレー

 176センチ60キロ。体格的には決して恵まれていない17歳(会見の翌日が18歳の誕生日だった)に、リーグ屈指の強豪クラブがここまで入れ込む理由は、彼の非凡なパスセンスにある。

 ウインターカップにおいても、米須のパスは際立つ存在感を放っていた。1試合における平均アシスト数は堂々の1位。ハーフコートで見せるパスも素晴らしいが、何よりスペシャルなのがロングパス。美しいループを描く、アメリカンフットボールのタッチダウンパスを彷彿とさせるようなパス1つで、仲間にシュートを打たせる才能は唯一無二のものだ。

 特に、1回戦で見せた、バウンドしたボールをそのままはたいてロングパス速攻としたプレーは、プロでも見られない超絶プレーだった(大会公式メディアがYouTubeで紹介しているので、ぜひ探して見てほしい)。

ノーマークになりさえすれば必ずパスが来る

 昨年、現役高校生Bリーガーとして界隈を驚かせた河村勇輝(現東海大1年)もパスの名手だが、河村のそれが「選手を引っ張るパス」だとしたら、米須のパスは「パスが出たところにノーマークの選手がいる」という表現になるだろうか。改めて言語化してみると、不思議なパスだ。

 米須のパスの謎を解き明かすヒントとして、東山の大澤徹也コーチが興味深いことを話してくれた。

「玲音がピックアンドロールをやろうとすると、ウイング陣がそれに呼応するようにカッティングするんですよ。指示が出ているわけではないのに、自然と。たぶん、『ノーマークになりさえすれば必ずパスが来る』っていう信頼があるからなんでしょうね。実際に玲音はそれが見えていて、絶対パスを出しますから」

【次ページ】 「目でフェイクするんですよ」

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