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最強助っ人クロマティが一刀両断! 日本野球とメジャーの違い「ワンショット」とは【菅野智之は巨人残留】 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2021/01/08 18:06

最強助っ人クロマティが一刀両断! 日本野球とメジャーの違い「ワンショット」とは【菅野智之は巨人残留】<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

YouTubeチャンネルの企画に合わせて日米プロ野球の違いを語ってくれたウォーレン・クロマティ

クロマティ:まずは野手と同じく、日本で発揮してきたポテンシャルを発揮するための精神力だ。日本とメジャーでは使っているボールが変わるし、マウンドに立って初めてわかることもある。球場の雰囲気、ストライクゾーン、1試合ごとに使うスタミナもそうだ。そして長打力が何よりも違うよ。日本の打線だと数人というところだが、メジャーはほぼすべての選手が一発を狙える力を持っている。

日本のエースでもHRを数多く浴びるワケ

――昔から力と力の戦いだったメジャーですが、ここ近年はいわゆる“フライボール革命”で、さらに本塁打狙いの打者が増えた印象があります。

クロマティ:イエス。マツザカサン(松坂大輔)、ヤマグチサン(山口俊)、キクチサン(菊池雄星)……ホームラン、タクサン、ウタレタ。タナカサン(田中将大)モ。

――確かに日本で絶対的エースだった投手でも、被弾する場面は多いですね。

クロマティ:そう。その理由には私が常に思っている、メジャーと日本のバッターの大きな違いがあるんだ。

――なんでしょう?

クロマティ:「ワンショット」、ネ。

――ワンショット?

クロマティ:「ひと振りで仕留める」という感じかな。日本のバッターはファウルが多い印象だ。ファウル、ファウル、ファウル……でも大リーグは、ホームランにできそうな「1球」を見逃さない。例えば2020年メジャー挑戦した山口は、インサイドのツーシームやシュートをストライクに取ってもらえず、ゾーンを上手く使い切れなかった。そこでストライクに入れざるを得なかったボールを、ワンショットで仕留められてしまったんだ。

日本人はわざとファウルを打っていないか?

――なるほど。

クロマティ:日本人バッターについて、個人的にはわざとファウルを打っているんじゃないか、と思うことがあるんだ。なんでその球をミスショットしているんだ? ともね。だから指導の時には「チャンスボールは二度と来ない。だからこそワンショットで仕留めろ」との話をよくしているんだ。150~160kmを投げ込んでくるパワーピッチャーが普通になった中で、ワンショットで打てなければ、バッティング技術、パワーが足りない証拠なんだ。

【次ページ】 身体のスタミナは問題ない。課題はメンタルだ

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