後悔はない、と言いきったタフな監督生活。これまでの5シーズンの通算成績は692試合336勝337敗19分、勝率.499。惜しくも勝ち越しは逃したが、70年以上つづく球団の歴史において、300勝以上を挙げAクラスに3回導いたことは特筆すべきことであり、球団史に名を刻む存在だと言っていいだろう。

「自分のなかではもう少しやれたのではないかという思いはあるのですが、DeNAで300勝以上でき満足しています。あとチームの基礎を作り上げることができたと思いますし、選手ひとり一人がもう一押しすることで、さらに一段高いレベルに行けると思います。きっと三浦大輔新監督がチームの力をさらに引き上げてくれるでしょうし、期待したいですね」

「また監督をやってみたいですか？」

　最後に、また監督をやってみたいかと尋ねると、ラミレスはちょっと間を置き自信ありげにニヤリと微笑んだ。

「300勝できましたが、これはファーストステージというか、1つ目のステップだと思っているんです。次にやるときが来たらすべての面を向上させて1000勝を達成したいし、絶対にできると信じています。ぜひまたチャンスがあったらトライしたいと思っているよ」

　志し、道半ば。球界きっての策士がまたいつ予期せぬサプライズを起こすのか、楽しみに待ちたい。

最終戦後にファンに手を振るラミレス　©JIJI PRESS