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渡辺明二冠、悲願の名人獲得!「中学生棋士=名人」の系譜、藤井聡太棋聖も将来的に継承なるか。
 

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photograph by日本将棋連盟

posted2020/08/15 20:30

渡辺明二冠、悲願の名人獲得!「中学生棋士=名人」の系譜、藤井聡太棋聖も将来的に継承なるか。<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

自身初となる名人位を獲得した渡辺明二冠(別日撮影)

 8月14、15日に将棋第78期名人戦七番勝負が大阪の関西将棋会館で開催され、挑戦者の渡辺明二冠(36)が豊島将之名人(竜王、30)に99手で勝利。4勝2敗として自身初となる名人獲得を達成した。

 初代永世竜王(11期)、永世棋王(8期)を持つ渡辺二冠。意外なことに今回が初の名人戦挑戦だったが、3勝2敗で迎えた第6局は得意の矢倉で豊島名人に挑んだ。互角のまま終わった1日目を経て2日目に入り、難解な中盤戦へと展開していった。そこから形勢は徐々に渡辺二冠優勢に向かう中で91手目で飛車を切って銀を手に入れると、そこから一気に寄せに入り、豊島名人を投了に追い込んだ。

 渡辺新名人は6~7月に開催された第91期棋聖戦では初のタイトル挑戦となった藤井聡太七段(当時)に1勝3敗で敗れた。将棋ファン以外にはその印象が強いと思われるが、AI時代に適応すべく自らの棋風を変えて、タイトルを取りまくっている現役最強棋士の1人だ。

気鋭の講談師・神田伯山と同じ高校出身。

 ちなみに渡辺新名人は2020年に真打昇進した新進気鋭の講談師・神田伯山と同じ高校出身(聖学院高校)で、“日本の伝統”を継ぐトップランナー同士というトリビアも知られ始めている。また今回の名人戦第4局には神田伯山が見学に来ていたことが話題に。渡辺新名人も自身のブログで「ラジオ番組の問わず語りの神田伯山でその時のことを話して下さったんですが、面白いです」(原文ママ)と記していた。

 加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生善治九段に次ぐ史上4人目の「中学生棋士」である渡辺明二冠が新名人となったことで、全員が名人位経験者となった。5人目の中学生棋士である藤井聡太棋聖もその系譜に名を連ねるのか――長いスパンで楽しめる要素がまた1つ加わった。

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