自分らしくいられる場所として。

松岡「練習、よく続きましたね」

里見「同じタイミングでクラブに入った男子選手が2人いて、一緒にいるのがすごく楽しかったので、週6日とか7日、いろいろな体育館を転々としなら練習に夢中になりました。父はパラリンピックを目指せると言われて火が点いたけど、私は車いす生活になっても楽しく過ごせる場所を見つけたから、そこにずっといたいという感覚でした」

松岡「いい場所を見つけましたね」

里見「車いす生活じゃ自立できないのかなと思い込んでいたけど、クラブのメンバーには1人暮らしをして、ちゃんと自立している方もいらっしゃって。そういう方のお話を聞いて、そういうやり方もあるんだって、知識が増えていくのも楽しかったです。そういう関わりを持てるのが良くて、バドミントンを続けていました」

松岡「チームの皆さんには、自分の思いや自分自身をさらけ出すことができたんですか？」

里見「結構、素の自分をさらけ出せました」

「実際に試合をしてみたら、無理無理って」

松岡「でも、そこからどうやってバドミントンが強くなっていくんですか？」

里見「そうですよねー。初めて出た大会で日本の代表として活躍している選手と試合をさせてもらったんですけど、何しろ自分は村山選手から、『パラリンピック目指せる』って言われていたから、意外と簡単になの!?　って思っていたんですね。ところが、実際に試合をしてみたら、無理無理って」

松岡「全然、敵わなかったんですね。申し訳ないですが、正直ホッとしました。これで勝ってたら、どうしようかと思いましたよ。だって、ここまでアスリート感ゼロなんですから」

里見「日本代表として世界で戦っている選手はこんなに違うんだって、自分に火が点きました」

松岡「ボン！　って来た！」

里見「来ましたね～。もともと負けず嫌いだったので、どうしたら勝てるんだろうって。父も応援してくれて、大会のときは私の試合のビデオを撮ってくれて、それを家でずっと見て、相手がこういうプレースタイルのときはこういう攻め方をすればいいのかな。そのためにはこの技術が足りないから、こういう練習を取り入れようとか考えていました」

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