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スカウトはYouTubeで選手をチェック。
ドラフト候補の絞り方も変わった。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKYODO

posted2020/05/26 19:00

スカウトはYouTubeで選手をチェック。ドラフト候補の絞り方も変わった。<Number Web> photograph by KYODO

昨年のプロ野球ドラフト会議の風景。今年は例年通りの形で開催できるのだろうか。

アマチュア野球ファンがアップした映像。

 コロナ禍の在宅勤務でもそうした球団保有のビデオチェックは行っていたが、もう1つ、これまではあまり注目していなかった画像を丹念に観ることでいくつかの発見があったというのだ。

「世の中にはアマチュア野球ファンの皆さんが撮影してユーチューブやブログにあげている映像が物凄い数であるんです。時間があるのでそういう映像を小まめにチェックしていくと、予想外の収穫を得ることができました」

 そのスカウトの説明だ。

様々な角度から撮影した映像がある。

 1つは独自で撮影した映像には撮影する場所のバラエティーがないのが弱点だった。ところがインターネット上にアップされている映像は、同じ選手の映像でも様々な種類が豊富だというのである。

「スカウトは現場ではどうしても実際の目で観ることが基本で、色々なビデオを撮影するほど余裕がない。ほぼネット裏からの画像が中心になってしまうのが実情なんです。

 しかし今回、一般にアップされている映像をチェックしてみると、それこそドラフト候補になりそうな有望選手だと、その1人の選手に対してスタンドの様々な角度から撮影した映像があり、父兄がアップした練習や、1年生、2年生時代のものもある。そういう点では非常に参考になりました」

 そしてもう1つが新しい人材の発掘だった。

 インターネットで1人の選手をチェックすると、そこに紐付けされた違う映像に、これまでリストアップしていなかった選手のものなども含まれている。これを丹念に観ていくと、これまで中央ではあまり名前が知られていないが、「オッ!」と思うような選手が出てくることがあるのだという。

【次ページ】 「ノーマークだったけど、こんな選手がいたんだ」

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