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“コロナ後”に向けて。若い力がつなぐ
スポーツクライミングの底力と可能性。 

text by

津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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photograph byAFLO

posted2020/05/26 11:00

“コロナ後”に向けて。若い力がつなぐスポーツクライミングの底力と可能性。<Number Web> photograph by AFLO

今季はパリ五輪への第一歩だった。

 前回記事では国内協会JMSCAが、W杯リードや世界ユース選手権のための代表選考会を実施できていない現状に触れたが、今回のW杯リード開幕延期の決定によって時間的猶予を手にできた一方で、こうした事態を渡りに船とばかりによろこべない事情もある。

 それはJMSCAにとって今シーズンが、2024年パリ五輪に向けての選手強化を本格始動の一歩目にしているからだ。

 今年11月から半年間の『JMSCA第1期パリ五輪強化選手』は、今春からのW杯単種目での世界ランキングや、世界ユース選手権の全種目全カテゴリー優勝者、コンバインド・ジャパンカップの成績などから選考することを定めている。

 しかし、大会の開催見通しが立たない今シーズンが、仮にこのままW杯を行わずに終わることになれば、パリ五輪強化選手を決める手立ての再構築が必要になり、必然的にパリ五輪に向けた選手強化は立ち遅れることになる。

ヘッドコーチが語る強化への課題。

 想定されるこうした事態を、日本代表の強化責任者である安井博志ヘッドコーチは、「選手強化は時間がいくらあっても足りないのに」と嘆く。

「東京五輪に向けて選手強化をやってきてわかったのは、4年という時間は決して選手強化に十分ではないということです。この4年間に培ったノウハウはありますが、それはまだ発展途上のもの。しかも、パリ五輪で実施されるスポーツクライミングは、新たなフォーマットになります。それを考えれば、厳しいと言わざるをえないですよね」

【次ページ】 「W杯という舞台で何かしらの答えを」

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