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ドラフトすら通常通りとはいかない。
支配下80名という救済措置検討を。

posted2020/04/08 07:00

 
ドラフトすら通常通りとはいかない。支配下80名という救済措置検討を。<Number Web> photograph by Kyodo News

リーグ開幕の見通しが立たないプロ野球。ドラフト会議も例年通りのやり方とはいかないだろう。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、野球界はプロ野球だけでなく、小・中学校、高校、大学、社会人、独立リーグに至るまでリーグ開催の目途が立っていない。

 4月5日現在、高校で春の都道府県大会を開催しているのは沖縄県だけで(無観客試合)、関東大会や近畿大会などの地区大会は軒並み中止が決定している。6、7月から始まる甲子園大会出場をかけた都道府県大会が延期になれば8月に開催される甲子園大会が延期、あるいは中止されることだってあり得るだろう。

 大学野球は1地区を除くリーグ戦が延期され、6月に予定されていた大学選手権は8月12~20日に延期されることが決定している。社会人野球は静岡大会などJABA公式の10大会が中止、さらに日本選手権、日本クラブ野球選手権の中止も決まり、5月末に予定されていた都市対抗の予選は6月以降に変更され、本大会の開催を危ぶむ声も一部で上がっている。 緊急事態宣言により、さらに影響を受けることになるだろう。

戦力を正当に評価する場がない。

 何よりこの感染が収まることが第一優先ではあるが、いずれリーグが再開した時、11月5日に予定されているドラフト会議は行われるのだろうか。

 大まかに言えば、新人を10人入団させるということは在籍している選手を10人を退団させるということである。

 もし、プロ野球が満足のいく形で日程を消化できなければ、戦力外を予定していた選手に何と言えばいいのだろうか。きちんと試合をしていないので、「クビにする理由」が見当たらない。さらにドラフトで獲得するアマチュア球児はきちんと試合をしていないので評価が定まらない。戦力外を通告された選手が、そんな評価があやふやな新人のために俺がクビになるのは納得がいかないと揉めたら、球団側は反論できないと思う。

 それらを考え併せれば、現在『野球協約』で定められている選手数の制限、「70人枠」を見直すべきだと思う。『野球協約』を見れば、第79条にこんなことが書かれている。

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飛田穂洲

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