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びっくりチームとがっかりチーム。
2020年MLBの穴馬を占おう。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byMasterpress/Getty Images

posted2020/02/29 09:00

びっくりチームとがっかりチーム。2020年MLBの穴馬を占おう。<Number Web> photograph by Masterpress/Getty Images

野球評論家の中畑清氏と挨拶を交わす秋山。強力打線の一角を担うリードオフマンとしての期待がかかる。

インディアンスの地盤沈下も眼につく。

 ア・リーグでは、がっかりチームの候補がほかにもある。アレックス・コーラ監督を解任し、主力中の主力ムーキー・ベッツを売り飛ばしたレッドソックスの続落はだれの眼にも明らかだが(これで善戦したら、「びっくりチーム」に挙げられるだろう)、インディアンスの地盤沈下もかなり眼につく。

 このチームは、投手力が弱体化した。昨年7月にはトレヴァー・バウアーをレッズに、12月にはコーリー・クルーバーをレンジャーズにトレードしただけではない。新エースの期待がかけられていたマイク・クレヴィンジャーが、膝の故障で戦線を離脱してしまったのだ。

 手薄な外野陣も満足に補強できなかったし、フランシスコ・リンドーアがひとり奮戦しようと、93勝(2019年)→80勝前後という低迷に見舞われる可能性がある。

浮上しそうなホワイトソックス。

 これと対照的に、同じア・リーグ中地区で久々に浮上しそうなのがホワイトソックスだ。

 ご承知のとおり、このチームは、過去10年間でわずか2度しか勝ち越していない。井口資仁が加入してワールドシリーズを制覇したのは2005年のことだから、もうずいぶん昔だ。

 2013年からは、7年連続で負け越しがつづいている。だが今季は、若手とヴェテランの融合が起こりそうな気がする。

 打線では、エドウィン・エンカーナシオン、ヤズマニ・グランダル、ホゼ・アブレイユといったヴェテラン(3人とも30代。FA)が顔をそろえた。

 若手はさらに魅力的だ。昨年、31本塁打とブレイクしたエーロイ・ヒメネス(今季開幕時23歳)を筆頭に、ニック・マドリガル(23歳。小柄だが、駿足好打)、ルイス・ロベルト(22歳。昨年マイナーリーグで3割2分8厘、32本塁打)といった期待株が開花すれば、相当に面白い。

 2018年、当時20歳そこそこだったロナルド・アクーニャJr.やオジー・オールビーズの台頭で一気に躍進したブレーヴスと同様、このチームの大化けは十分に考えられる。

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