シニアかジュニアかを選択できる時期。

　鍵山とは演技が終わった時に連絡を取り合った。

「世界ジュニア、一緒に頑張ろうね」

　お互いにそう語ったと言う。

　その世界ジュニア選手権は、3月2日に開幕する。

「ファイナルのときに戦った選手とまた戦えるのが楽しみですし、ファイナルにいなかった選手も出てくるので楽しみです。優勝したいとは思うけれど、結果をそこまで狙わずに演技に集中したいです」

　それは次のための足掛かりとなる大会でもある。15歳以上18歳以下の選手は，シニア・ジュニアのいずれかを選択できる時期にあたるのだ。

再び世界を驚嘆させられるか。

　佐藤は、来シーズン、「まだどうなるか分からないけれど、シニアに上がりたいと思っています」と語る。

　今シーズン、好成績を残したことでついた自信もあるが、何よりも、その先を見据えての意思だ。

「オリンピックが2年後にあるので、それを踏まえてシニアに上がろうと思っています」

　五輪シーズンにシニアデビューを迎えれば、シニアでの経験を積めないまま、オリンピックを目指さざるを得なくなる。

　シニアで経験を積んでオリンピックを狙うためにも来シーズンのうちにシニアに上がりたい、そのためのステップとして世界ジュニア選手権がある。

　この世代で有数のジャンプ力を武器に、再び世界を驚嘆させることができるか。

　自分の未来を見据え、世界ジュニア選手権に臨む。