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鍵山優真と佐藤駿。ジャンプと表現、
フィギュア次期エースを争う闘い。 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/01/02 20:00

鍵山優真と佐藤駿。ジャンプと表現、フィギュア次期エースを争う闘い。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

氷上ではライバル、リンクを降りればよき友、という関係の鍵山(左)と佐藤。演技後、お互いを称え合う姿をこれまでも見せてきた。

憧れの選手は、佐藤は羽生、鍵山は宇野。

 性格は、佐藤が言葉少ないシャイなタイプなのに対して、鍵山は「街中で音楽が流れていると自然に踊ってしまう」と言い、注目されるのが好きなタイプ。

 憧れの選手も、佐藤は「とにかく羽生選手。一番盗みたいのは、ジャンプの綺麗さとスケーティングの滑り」といい、鍵山は「日本人なら宇野(昌磨)選手で、すべてのバランスが凄い。海外ならネイサン・チェン選手で、すべてのエレメンツがしっかりとしている」という。

 これまで、全日本ノービス時代には、佐藤は'13年から4連覇。鍵山は'14年14位、'15年4位となり、佐藤のほうが成績としては目立っていた。

 昨季の全日本ジュニアも、佐藤が銀メダル、鍵山は5位だった。鍵山は「当時の駿君はいつも素晴らしい成績を出していて、すごい選手がいるなと思っていました」という。

「スケーティング、表現は自分の持ち味」

 しかしスケート学年としては1年先輩の鍵山は、昨季のジュニアGPに参戦したことで、変わった。世界のトップジュニアを見て、改めて自分の持ち味に気づいたという。

「でも僕には僕の持ち味がある。踊るのは大好きだし、スケーティング、表現は自分の持ち味だと思う。スケーティングや表現力をジャンプと同じくらい練習してきたので、自分の強みになる」

 さらに今季に向けては、基礎が出来ていることが幸いして、一気にトリプルアクセルと4回転トウループの成功確率が上がった。

 一方の佐藤は、4回転ジャンプの習得に精を尽くした。

 2019年の夏合宿では、ハーネスを使って4回転ルッツの練習を開始。するとその合宿のうちに4回転ルッツを、自らの力で着氷した。

「最初に跳べたのは4回転サルコウ。そのあとトウループが跳べて、ループも練習では降りました。でもルッツが跳べるようになったら、一番感覚がよくて確率が高いのはルッツだったので、今季の試合ではルッツを入れることにしました」

【次ページ】 2019年全日本ジュニアで分かれた明暗。

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