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来季もDeNAの中継ぎ陣はフル回転。
「むーさんは本当に貴重な存在」 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2019/12/31 11:50

来季もDeNAの中継ぎ陣はフル回転。「むーさんは本当に貴重な存在」<Number Web> photograph by Kyodo News

ラミレス監督は就任から4年間で3位、3位、4位、2位。そろそろ優勝を期待される。

来季も中継ぎフル回転となると……。

 続けて、層の厚いブルペン陣に信頼を寄せる。

「また、若手の齋藤(俊介)、櫻井(周斗)、笠井(崇正)、ベテランの武藤(祐太)、藤岡(好明)らの活躍もブルペン陣全体から見れば大きかったと思います。誰もが、今日の試合は絶対に獲るという気持ちで投げてくれました。課題があるとすれば、ミスをなくしていくこと。無駄なフォアボールやベースカバーなどちょっとしたミスの積み重ねが敗戦につながってしまいますからね」

 さて、来季のDeNAであるが、5年目となるラミレス監督の采配が大きく変わるとは考えにくい。つまり中継ぎは、来季もフル回転することになるだろう。三上と砂田が万全な状態で戦線に戻ってきてくれればいいが、エスコバーや三嶋らの疲労の蓄積も気になるところ。

 そこで期待したいのが、2020シーズンでDeNA3年目となる武藤だ。

 30歳になった'19年は31試合に登板し、防御率3.32。シーズン当初こそ'18年と変わらずモップアップの役割を担っていたが、回またぎなどいかなる場面であっても淡々と挑む安定したピッチングが認められ、勝ちパターンで登板する機会を得るまでに至った。

「とにかく優勝したかった。このチームで……」

 シーズンが終わったとき、武藤がぽつりと言ったこの言葉が深く印象に残っている。

マウンドで幸せを噛み締める武藤。

 2017年のオフ、中日を自由契約となり、一番最初に連絡を寄こしたのがDeNAの高田繁前ゼネラルマネージャーだった。中日での晩年は登板機会を得ることはできなかったが、高田前GMは、2013年に58試合70イニングを投げたタフネス右腕に期待を寄せた。

 武藤は、失いかけていた自信をDeNAに来て取り戻すことになる。

「戦力外と言われ終わってしまう選手が多いなか、またこうして野球をやらせてもらっている。チームには感謝しかないんです」

 マウンドに立てる幸せを噛みしめ、武藤は感慨深い表情でそう語った。

【次ページ】 淡々と投げる“むーさん”。

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